スポーツ教材の提供

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スポーツ教材活用事例紹介:Case5

フォー遊クラブ(京都府長岡京市)

提供教材:サッカー球

陸上教室にサッカーボールを取り入れて単調な練習にメリハリと楽しさを
サッカーボールを使ったゲーム感覚のリレーで俊敏性と闘争心を養う

京都府長岡京市にある総合型地域文化・スポーツクラブ「フォー遊クラブ」では、定例のスポーツ事業のうち、小学生を対象とした陸上教室にて、サッカーボールを採用。闘争心や瞬発力の鍛錬に、またウォームアップや中休みの遊びに活用していました。

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Plan
単調な練習を楽しくするツールに

総合型地域スポーツクラブ「フォー遊クラブ」では、土曜日の午前中、小学生を対象とした陸上教室を行っています。会長の長谷川潔さんは「『陸上競技』=『走ること』=『心肺機能を高めること』は色々なスポーツの基礎になります。小学校から中学、高校と成長していくなかで、どんな競技に興味を持ち取り組んでいくようになるのか、今はまだ分かりません。でも小学生のうちから陸上競技で身体を鍛えることは、後々役に立つと思います」とおっしゃいます。しかし陸上の練習は比較的単調になりぎみ。そこで、ただでさえ集中力を保ち続けるのが難しい子どもたちに楽しく、メリハリを持って練習に臨んでもらうため、ボールを使った遊びを採り入れたいと教材提供に応募したそうです。


サッカーボールを使ったリレーでは、僅差の接近戦で行うことで闘争心が養われることから、ボールを足の間に通す方法が定着しているそうです

サッカーボールを使ったリレーでは、僅差の接近戦で行うことで闘争心が養われることから、ボールを足の間に通す方法が定着しているそうです

小学生を対象とした陸上教室は月に2回土曜日午前中に行われています。お邪魔した日は生憎の雨…にもかかわらず練習意欲に溢れる児童が集まっていました

小学生を対象とした陸上教室は月に2回土曜日午前中に行われています。お邪魔した日は生憎の雨…にもかかわらず練習意欲に溢れる児童が集まっていました

「インターバル・トレーニングを小学校の授業にもぜひ採り入れて欲しい。そうすれば五輪で金メダル倍増も夢ではない」と話す長田義昭コーチ自身、かつて陸上のオリンピック候補選手。75歳の今でも子どもたちの先頭に立って走ります

「インターバル・トレーニングを小学校の授業にもぜひ採り入れて欲しい。そうすれば五輪で金メダル倍増も夢ではない」と話す長田義昭コーチ自身、かつて陸上のオリンピック候補選手。75歳の今でも子どもたちの先頭に立って走ります


Do
俊敏性と闘争心を養うボールリレー

4年ほど前から子どもたちの練習を見ているのが、オリンピックで活躍した選手の指導経験もある、短距離専門コーチの長田義昭さん。つま先走法での「インターバル・トレーニング(速いペースで走る“急走”とスピードを緩めてジョギングする“緩走”を組み合わせた練習方法)」が心肺機能の向上と足のバネを鍛えるのに最も効果的であると奨励し、陸上教室でも取り入れています。

「小学生ですから“走ることが楽しい”と思ってもらうことが一番です。インターバル・トレーニングを続けると心肺機能が高まってラクに走れるようになるので、もっと走りたい、もっと身体を動かしたいと思えるようになるんです。でもその領域に達するまでがハード。ですから常日頃、『つらかったら止めていいよ、無理しないで』と子どもたちには言い聞かせています。しかし不思議なもので、○○さんが続けているから自分も負けたくない、とみんながんばるんです」と長田コーチ。

そんな闘争心を養うとともに、スタートダッシュの瞬発力を鍛えるために、サッカーボールを使ったリレーを行っています。このボールリレーのポイントがボールを渡す方法。頭上から、あるいは身体の左右、そして両足の間といくつかの方法を繰り返した結果、足の間を転がす方法が最もボールが逃げ出しにくく、リレーとして成り立ち、闘争心を煽る効果が高いのだそうです。

「ボールが遠くに転がってしまうと、差が開きすぎてやる気が失せるでしょう? そういうロスが最も少ないのが足の間だったんですよ」(長田コーチ)


Check
心肺機能の高まった身体能力を持てあまさず「楽しく練習する」の基本を支える

ボールリレーだけでなくウォーミングアップなどにもサッカーボールを採用。だからといって、陸上競技種目の記録向上や瞬発力、走力などの運動能力発達に即効果が現れたとは言い切れないものの、「ボールに反応する機敏性は確実に高まっているし、身体を有効に使うようになったと思います。でも何よりも楽しく練習するという基本を支えているのではないでしょうか。陸上教室に参加したいという子どもたちが少しずつ増えていますし」と長田コーチ。

インターバル・トレーニングの効果で特に高学年の児童たちは、体力がメキメキついてきており、ちょっと空いた時間でも身体を動かしたくてむずむず。そんなときに近くにサッカーボールがあると、遊び感覚で蹴り始め、身体を動かしつつ気分転換を図っている様子でした。


練習の合間にちょっとでも時間ができると、サッカーボールを蹴って遊ぶ姿が印象的でした

練習の合間にちょっとでも時間ができると、サッカーボールを蹴って遊ぶ姿が印象的でした

長田コーチの指導を受けたいと、近くの小学校からも陸上教室に参加してきます

長田コーチの指導を受けたいと、近くの小学校からも陸上教室に参加してきます

インターバル・トレーニングとセットのつま先走行。歩幅を狭くすることで、足のバネがいっそう鍛えられるそうです

インターバル・トレーニングとセットのつま先走行。歩幅を狭くすることで、足のバネがいっそう鍛えられるそうです


Action
今後の課題は女子児童も抵抗なく楽しめる工夫

基本的な体力造りのためのメニューはそう大きく変わるものではないし、参加する子どもたちは毎年入れ替わるので、現在取り組んでいるボール遊びを採り入れたメリハリのある練習メニューは、今後も大幅に変更することはないと言います。

「でも女子児童はサッカーで遊ぶ仲間に入りにくいようなので、様子を見ながらその辺少し考えたいですね」と長田コーチ。「フォー遊クラブ」としては「子どもも大人も一緒になって楽しめるようなスポーツを採り入れつつ、地域全体で子どもを見守り育んでいけるような活動を続けて行く」(長谷川会長)そうです。


Philosophy
スポーツに加えて文化的なプログラムも採り入れた「フォー遊クラブ」

そもそも総合型地域文化・スポーツクラブ「フォー遊クラブ」は、長岡京市立長岡第四小学校の施設やクラブハウスを拠点に、近隣の自治会や各種関係団体、スポーツ団体から構成されており、地域でのスポーツ・文化を通じて「温もりのある地域を、創ろう・育てよう」を目指して活動しています。長谷川会長によれば「バドミントンの全国小学生大会が30年近く開催されたり、男女ともにサッカー日本代表選手やオリンピック出場選手を多数輩出するなど、長岡京市はスポーツが盛ん。私自身もスポーツが大好きで、40年以上地域のスポーツ振興を支援してきました。今回、総合型地域スポーツクラブとして『フォー遊クラブ』を運営するにあたり、人間味豊かな地域づくりと生涯スポーツ社会の実現のため、だれもが気軽に参加できるスポーツの取り組みと、スポーツだけでなく通学路の安全対策や防災訓練などの地域全体に関わる活動も行っている」そうです。

「フォー遊クラブ」の定期的な活動としては、今回紹介した陸上教室の他、小学生以上を対象とした平日夜のバトミントン教室や土曜日午前中の硬式テニス教室があります。また不定期でスポーツ吹き矢やカローリングの体験教室も開催し、子どもから年配者まで、自分のレベルに合わせてさまざまな人が一緒に楽しめる内容も心がけているとか。さらに“長四フェスティバル”と称した地域イベントも開催。加盟団体のブース出展によるスポーツ活動への理解促進に加え、消防署の協力も得て消防車や起震車や消火の体験なども行い、地域に根ざしたコミュニティづくりに注力されていました。


「陸上教室の卒業生が中学、高校に進んで活躍していることを耳にするととても喜ばしいですね」と長谷川潔会長。「気は長く、心は丸く、腹を立てず、人は大きく、己は小さく」がモットー

「陸上教室の卒業生が中学、高校に進んで活躍していることを耳にするととても喜ばしいですね」と長谷川潔会長。「気は長く、心は丸く、腹を立てず、人は大きく、己は小さく」がモットー

「みんなが元気で、スポーツに参加すれば笑顔がはじける! 軽いスポーツから、専門種目のスポーツ少年団・加盟スポーツ団体へ。地域の子どもは地域が育てよう。防犯・防災にも役立つクラブづくり。住んで良かった地域づくり」こんな目標を持って「フォー遊クラブ」を始めたそうです

「みんなが元気で、スポーツに参加すれば笑顔がはじける! 軽いスポーツから、専門種目のスポーツ少年団・加盟スポーツ団体へ。地域の子どもは地域が育てよう。防犯・防災にも役立つクラブづくり。住んで良かった地域づくり」こんな目標を持って「フォー遊クラブ」を始めたそうです


(2012年12月取材)


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