

YMFS本日はアテネ五輪女子マラソン金メダリストである野口みずきさんにお越しいただきました。野口さん、そして能瀬先生、よろしくお願いします。
野口よろしくお願いします。
能瀬こちらこそよろしくお願いします。そして今日はお忙しい中、本当にありがとうございます。
YMFS今回、能瀬先生は、『女性アスリートの「現在・未来の健康」を守る ゼロからのチャレンジ』として、ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞を受賞されました。
産婦人科医の立場から女性アスリートが陥りがちな三主徴(利用可能なエネルギー不足、視床下部性無月経、そして骨粗鬆症)に関する研究、あるいはその問題の解決に向けての啓蒙活動、といったことを評価されての受賞となったわけですが、野口さんは長い選手生活の中で、女性アスリート特有の問題にどう向き合っていましたか?
野口私の場合は、生理の前後で身体の重さやキレが、まったく違ってしまうことでした。でも監督やコーチは男性なので、女性の肉体の仕組みがなかなかわからないじゃないですか。
YMFSたしかにそこを相手にうまく伝えるのは難しい作業ですよね。
野口ですから、自分の調子がすぐれないとき、「なんでこのトレーニングができないんだ!」と、監督やコーチに言われる前に、あえて自分の方から先に「こういう理由でできないんです」と伝えていました。
能瀬へー、それはすごいですね。
野口基礎体温を毎日記録するようになったのも同じ理由です。体温が上がるときになんだか調子が悪くなる、という感覚がずっとあって、それを実際にデータ化すれば相手にもより具体的に伝わるのかなと。
能瀬私は選手たちに「基礎体温をちゃんとつけなさい」って言うのですが、自分は1週間しか続けられなかったです、笑。
<次のページへ>