スポーツチャレンジ賞

スポーツ界の「縁の下の力持ち」を称える表彰制度

第15回 表彰式

第15回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞表彰式を実施しました

第15回スポーツチャレンジ賞 表彰式

6月2日(金)、東京都千代田区のSOLAシティホールにて、「第15回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞 表彰式」を実施しました。

2022年度のスポーツチャレンジ賞は、「女性アスリートの『現在・未来の健康』を守るゼロからのチャレンジ」に取り組む能瀬さやか氏が受賞。表彰式では当財団の木村隆昭理事長から、表彰状とメダル、賞金(目録)、記念品を贈呈されました。

なお、表彰式の終了後には、受賞記念のシンポジウム「女性アスリートの健康を考える」が開かれました。

受賞者コメント|能瀬さやか氏

名誉あるスポーツチャレンジ賞をいただき、誠に光栄に存じます。
受賞の連絡をいただいたとき、産婦人科医の立場から「どのようにスポーツに携わっていけるか?」ということを模索していた学生時代の記憶がよみがえってきました。振り返れば、産婦人科医になった頃は、今日のようにスポーツにとっぷりと漬かり、また自分のライフワークになるとは夢にも思っていませんでした。産婦人科学、スポーツ医学、両方の分野に携われる多くのチャンスを与えられたことは、私を日頃から支えてくださった諸先輩方や、多くの団体の関係者の皆さま、そして両親、家族のおかげです。この場を借りて、日頃からの多大なる尽力に感謝します。今後は、これまで以上に他団体、他職種の方と連携を取り、スポーツ界、医学界に貢献できるよう、仕事をしていきたいと思います。本日は誠にありがとうございました。

主催者挨拶|木村 隆昭 (ヤマハ発動機スポーツ振興財団 理事長)

今年度の受賞者である能瀬さやかさんの着眼点と、情熱的かつ献身的な姿勢、その成果として生み出された功績は、人々の目には映りにくいものかもしれません。しかし、その恩恵を受けるのは、女性アスリートだけでなく、スポーツに親しむ幅広い年代の女性、さらに女性全般の未来の健康につながっていく可能性を秘めています。産婦人科医という立場から「それでもスポーツに関わり続けたい。貢献していきたい」という熱意。類まれな行動力。独自のアプローチ。極めて高い価値を持つ功績。さらには未来に広がっていくこれからの活動。これらの取り組みにあらためて敬意を表します。おめでとうございます。

来賓祝辞|和田 訓(スポーツ庁 健康スポーツ課 課長)

東京オリンピック・パラリンピックのレガシーを継承し、発展させ、楽しさや喜びなど、スポーツの持つさまざまな価値を高めていくことは非常に重要です。スポーツ庁としては、スポーツが生涯を通じて人々の生活の一部となり、一人一人の人生や社会が豊かになる「Sport in Life」という姿を目指し、多様な主体におけるスポーツ機会の創出、スポーツによる健康増進、スポーツを通じた共生社会の実現などの施策に取り組んでいるところです。能瀬先生の功績は、女性アスリートの健康課題に関する啓発活動等を通し、スポーツ振興の発展に寄与するとともに、スポーツを「する」「みる」「ささえる」の実効性を高め、一人一人がスポーツの価値を享受できる社会の構築につながるものと考えています。本日の受賞を契機に、これまで以上にスポーツ振興に尽力賜りますようお願いします。

選考経緯|伊坂 忠夫(ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞 選考委員長)

昨年9月から選考を開始し、1次審査、2次審査、最終審査という形で選考を進めてきました。能瀬先生は、女性アスリートの健康問題について大きな功績を残されました。その一つである、2012年、自身が国立スポーツ科学センターにいたときに発表した日本産科婦人科学会のデータは衝撃的でした。また、学会発表にとどまらず、そこから大きな波及効果をもたらし、その先頭に立ち、全国を巻き込んで進めてこられました。多くのアスリートと指導者が助けられ、そして何よりも保護者やアスリート自身がそのことを理解しました。全ての女性が元気になるということは、全ての人類が元気になることです。そこに向かって、今後、ますます発展することをわれわれは確信しており、その上で受賞を決めました。能瀬先生、本当におめでとうございます。

※敬称略