2022(令和4)年度

障害者スポーツを取巻く社会的環境に関する調査研究

- 選手のキャリア、TV放送、選手認知度、テレビCF放送、ユニ★スポ体験の効果に着目して –

[第5章]ユニ★スポ体験での児童の意識変容調査

調査目的

ボッチャ体験会(座学と体験)を通して、子どもたちの障害や障害者スポーツ等に関する意識や視点がどのように変化するかについて、1年経過後の調査結果を含めて分析した。

調査方法

調査1 2020年度の児童を対象とした4回目(1年経過後)の追跡アンケート調査

調査結果
  • 『ボッチャ』をユニバーサルなスポーツ教材と位置づけた体験授業で、事前学習、体験、振り返りという一連の学習内容が児童の障害イメージをポジティブな方向に変容させることが示された。1年経過後の追跡調査(4回目アンケート)より、1年後も児童の障害イメージやアダプテッドへの意識が定着することが示唆された。
  • 体験会終了後の1年間について、ボッチャ等を継続して実施した児童とそうでない児童を比較すると、継続して実施した児童の方が障害イメージや障害者スポーツに対するポジティブイメージが醸成されていくことが示唆された。
  • 体験会終了後の1年間について、ボッチャをする機会の有無について尋ねた所、約77%の児童がその後ボッチャをやる機会が無かったと回答している。
  • アダプテッドの意識が定着するためには、単発的な実施ではなく年間計画に組み込まれていくことが必要であり、その為の自前で授業や体験会が展開できるように環境を整えていく必要がある。
  • 当財団が実施している教材提供プログラムでのボッチャボール活用事例について紹介する。
    1. 山形県立山形養護学校
      「交流及び共同学習を楽しもう」~病弱の特別支援学校。ボッチャが登校する励みに! 活用レポート
    2. 埼玉県久喜市立本町小学校
      「ボッチャ」を軸とした授業と地域交流で、児童へスポーツの意欲や関心を高める 活用レポート
    3. 高知県中土佐町立上ノ加江小学校
      「高齢化地域の小規模校。障害者の協力で障害理解と地域交流を促進」 活用レポート