2022(令和4)年度

障害者スポーツを取巻く社会的環境に関する調査研究

- 選手のキャリア、TV放送、選手認知度、テレビCF放送、ユニ★スポ体験の効果に着目して –

[第2章]テレビメディアによる障害者スポーツ情報発信環境調査

調査目的

北京2022パラリンピック大会の開催に合わせ、障害者スポーツのテレビメディアでの露出状況(量的、番組傾向、トピックスなど)を把握し、影響度や障害者スポーツの社会的認知度を図る。

調査対象

東京都内での地上波デジタル(サブチャンネルは含まれない)の放送環境を有するテレビ局の東京エリア放送分のデータをもとに、検索対象ワードとして、①”パラリン”、②”障害” AND “スポーツ”、③”障がい” AND “スポーツ” ④“パラスポーツ”の4条件を設定しデータを抽出。

調査期間

過去4大会(バンクーバー大会、ソチ大会、平昌大会、北京大会)の、「開催前1か月間」「開催中」「開催後一か月間」。

調査結果
  • 大会別の合計放送時間(開催前、開催中、開催後)をみると、バンクーバー大会、ソチ大会、平昌大会まで増加していった放送時間は、北京大会で減少した。(バンクーバー大会:約35時間、ソチ大会:約72時間、平昌大会:約113時間、北京大会:約79時間)
  • 2022年2月末にロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まり、北京大会の合計放送時間約79時間の内、約4分の1(約20時間)はロシア・ウクライナ問題に関する報道となった。
  • 「開催前」「開催中」「開催後」の北京大会の放送時間をみると、「開催前」はソチ大会、平昌大会、北京大会と大きな違いはみられず、「開催中」はソチ大会から平昌大会にかけて倍増したが、北京大会で減少した。「開催後」はソチ大会から平昌大会にかけて微増したが、北京大会では減少して、ソチ大会と同規模の放送時間であった。
  • 「開催前」「開催中」「開催後」でロシア・ウクライナ問題に関連する割合をみていくと、開催前(19.2%)、開催中(28.8%)、開催後(33.6%)と戦禍が悪化するにつれて、占める割合が増えていった。
  • 過去4大会のテレビ局の合計放送時間は、「NHK総合」が最も多く、ついで、「NHK教育」、「日本テレビ」であった。
  • 過去4大会の番組カテゴリー別の合計放送時間は、「スポーツ」が最も多く、ついで、「ニュース/報道」、「情報/ワイドショー」であった。
  • 番組内で取り上げられたコーナー別の放送時間は、過去4大会ともに「スポーツ」が最も多い