中間報告会

半期の活動発表、人材交流と学びの場
 2019年9月21日

2019年度 第13期生スポーツチャレンジ助成 第2回中間報告会を実施しました

2019年度 第13期生スポーツチャレンジ助成 第2回中間報告会

9月21日(土)、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都)にて2019年度 第2回目の中間報告会を実施しました。体験チャレンジャーの今井双葉さん(ボーリング/選手)と木下 凜さん(スケルトン/選手)、研究チャレンジャーの佐藤大典さん、山口雄大さんの4名が参加。また、海外でチャレンジしている三浦優希さん(アイスホッケー/選手)はスカイプにて、それぞれが上半期のチャレンジ状況を報告するとともに、下半期の活動予定について発表しました。また、海外でチャレンジの村上レイさん(アイスホッケー/選手)は、ビデオレターにて発表を行いました。

参加いただいた審査委員

浅見 俊雄委員長、伊坂 忠夫委員、北川 薫委員、ヨーコ ゼッターランド委員(五十音順)

今井双葉さん(選手)
今井双葉さん(選手)

「5月全日本選抜選手権大会、6月シンガポールオープン、8月は世界選手権大会に出場。いずれも結果を残せませんでしたが、シンガポールオープンでは、自分と海外選手のゲーム運びの比較ができましたし、予選方式の違いから短いゲームの中でいかにスコアをまとめられるかという経験が成長につながりました。
今年から社会人となり環境変化に対応ができず、練習時間の確保や準備が不十分でした。またメンタル的な反省として、2017年に世界選手権で金メダルを取った時の自分を追いかけている自分に気がつきました。過去にとらわれず、今の自分だからこそできることに着目して自分自身と向かい合うべきと考えています。こうした反省を踏まえ、練習内容、課題を見直し、またパーソナルトレーニングをつけてのトレーニングを取り入れることでより自分の体について探求したいと思います。そして時間の使い方や練習のリズムを改めて見直し、充実した練習に取り組み、まずは10月の国民体育大会、11月全日本都道府県対抗で優勝目指します」

三浦優希さん(選手)
三浦優希さん(選手)

「5月の世界選手権Div.ⅠBに出場。日本代表は優勝できずにリーグ昇格はかなわず、個人的にも0ゴール0アシストで終わり悔しい結果でした。日本に帰国してからは、アイスホッケーの魅力を伝えるイベントを初開催。地方の大学でアイスホッケーを指導する他、Sports X Conferenceに登壇し、学生アスリートとしてアメリカでのチャレンジの様子を話しました。
第二四半期は新シーズンに向けてのトレーニングに割き、いいコンディションのまま渡米。10月のシーズン開幕へ向けたチーム内のレギュラー争いでポジションを確保することが、目の前のチャレンジです。昨シーズンは序盤に思うように結果が残せず、最後まで活躍できる場を切り開けなかったので、今年は序盤から力を発揮しチームの中心選手になれるようがんばります。
また最近、『個人の挑戦』に『責任』が芽生え、『アイスホッケーをするうえで、自分の能力に対する公正な対価では済まないほどの恩恵を受けてきた』との思いから、『偶然自分が受けた恵みを、少しでも多くの人に還元・循環すべきと』考えるようになりました。その一環としてSNSで情報を発信・共有しています」

山口雄大さん(研究)
山口雄大さん(研究)

「トラック走行中のペダリング動作を計測しバイオメカニクス的特徴を示すことでパラサイクリストの競技力向上に貢献することを目的に、トラック競技場でのプレ測定を行いそこから得られたデータから慣性センサを用いて動作解析を行うシステム構築を行いました。プレ測定は、自転車競技経験者1名を対象に、音センサー、ビデオカメラ3台と慣性センサー5台を用いて実施。自転車の車体部分とクランク部分に慣性センサを取り付けて、クランク角度を算出しその角度に対応した関節角度を推定するという方法を考案。今回の測定によって、車体部の慣性センサとクランク部の慣性センサから相対角を算出、一般的に自転車を用いた研究で最も重要なパラメータであると考えられている、クランク角度を正確な値で出すことができました。ただ非線形データである大腿部角度や膝関節角度を、線形カルマンフィルタを用いて算出したところ誤差が出たので、この後、非線形カルマンフィルタの実装により正確なデータを算出していきます。そしてパラサイクリストを対象にトラック競技場で測定し、その結果をパラサイクリストへフィードバック。測定手法を論文としてまとめていきます」

木下凜さん(選手)
木下凜さん(選手)

「本格的に練習を開始した矢先に右足舟状骨を骨折。完全治癒を目指し予定していた合宿は中止。ウエイトトレーニングで上半身を強化したり、体幹を強化する食事内容の見直しや練習後のリカバリー、自己管理のあり方を考える良い機会としました。4月中旬から6月いっぱいは走れず、下半身を使ったトレーニングが思うようにできない中、8月末までに除脂肪体重4.7kg、骨格筋量3kg増やすことができました。7月の強化指定選手選考会まで約2週間の短い期間に調整を進め、立ち幅跳び、バックスクワット、パワークリーン、10秒間ペダリングの四つの競技で、自己ベストを上回る結果を出し、出場した選手の中で最高得点を獲得。JOC強化指定選手に推薦していただきました。この後プッシュ練習を開始。8月の全日本プッシュスケルトン選手権大会に向け、ここも約2週間で仕上げ、例年の記録には及びませんでしたが、優勝し全日本選手権3連覇することができました。10月から海外で氷上のプッシュトレーニングを行い、11月のノースアメリカンカップでは日本選手のトップを取ることが絶対目標です。2月世界ジュニア選手権では入賞を目指します。一つ一つの目標を確実に達成しオリンピック金メダルに向けて進んでいきます」

佐藤大典さん(研究)
佐藤大典さん(研究)

「競泳のリレー競技における引き継ぎ動作には、スタート台のバックプレートに片足を乗せた状態で後ろ足を前側にステップし飛び込んでいく従来型の動作と、キックスタートと言われる、バックプレートの後ろ側に片方の足を置き、その足を前側にステップして飛び出す新型とがあります。リレー種目にてどちらの動作が速いか未解明なので、動作を解析し提案することとしました。
まず実験環境を整備。購入予定であった引き継ぎ時間を計測する装置が用意できず、代わりにカメラ3台を配置、LEDランプで同期し実験を行うことにしました。並行して水泳部の協力を得てリレーの引き継ぎ動作の練習を重ねてもらいました。
予備実験では、台上動作のみですが、新型は跳び出し角度が小さいため、飛距離に有意な差はありませんでしたが、身体重心水平速度は新型の方が高く、パフォーマンスを向上させる可能性が見受けられました。
スタート時、足の指先をスタート台先端に引っかける方がいいのか否か、また泳者は普段から練習している選手にするかランダムにするか、実験試技について課題はありますが、入水時の角度や入水後の動作も合わせて今後解析を進め、別の新しい引き継ぎ方法も考えたいと思います」

村上レイさん(選手)
村上レイさん(選手)

「4月、ジュニアチームのキャンプに参加し力を試しました。シーズンは3月で終わりましたが、5月にはスプリングホッケーで7試合ほど経験を積みました。また毎日チームメイトとトレーナーとでハードにトレーニングしました。ハードに動いたあとは、怪我予防に欠かせないヨガトレーニングを週1回行いました。6月末に学年末試験を終え、カナダでの2年目が終了しました。前年同様にアスリートアワードにノミネートしていただきました。7月に久しぶりに日本へ帰国し、YMFSの修了式と贈呈式があり、そこでフィギュアの紀平選手と同席。多くの刺激をいただきました。またU20日本代表のトライアウトキャンプに参加し、メンバーに残ることができました。12月にU20の世界選手権があり、8月にはチェコに遠征しました。メンバーは最後までわかりませんが、テストマッチ3試合でいいアピールができました。8月末に再びカナダに渡り、ハードにトレーニングし、シーズンに入る準備を行いました。9月からのシーズンは3月までの間、アメリカ・カナダで50試合以上行われます、ディフェンスマンとしてチームの勝利に貢献し、来年のジュニアへの挑戦のため全力でがんばります!」