年度別チャレンジャー一覧

助成対象者のチャレンジ概要
山口 雄大
氏名
山口 雄大(やまぐちゆうた)
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第13期生
パラサイクリストの競技力向上を目的としたトラック走行中のバイオメカニクス的解析

これまでの自転車ペダリングにおける動作解析は、複数台の定点カメラを用いた固定環境下での測定に限られてきた。本研究では、小型慣性センサ(AHRS)を用いて実走中の運動学データの取得に挑み、実走中における動作の特徴を明らかにする。本研究のポイントは競技現場に特化した科学データの取得を試みる点であり、それが実現した場合、競技現場を想定したトレーニングの考案が期待できる。

成果報告(2020年3月)

本研究は、パラサイクリストをバイオメカニクス的観点から評価し、競技力向上に資する知見を示すことを目的としていた。本研究を実施するにあたり、最大の課題はトラック走行中の動作をいかにして連続的かつ正確に計測できるかにあった。この課題に対する解決方法として慣性センサを用いた動作解析を採用したが、私にとってこの測定手法は初めての試みであり、最大のチャレンジであった。そのため、年度初期から予備実験を重ね、その都度明らかになる新たな問題に対して打開策を講じ続けた結果、予定よりも早期に妥当性が認められるパラメータの算出方法を見出すことができた。上半期に測定手法および分析方法を確立できたことは今年度の活動において評価できる点であると考える。一方で、パラサイクリストのスケジュール調整が難航し、年度末まで測定を行えなかったことに関しては反省すべき点であり、改善の余地がある。本助成を受けたことにより、新たな測定手法に臆することなくチャレンジできたことは、これからの研究活動において非常に有意義な経験であり、今年度の活動が将来的に大きな成果を生み出せるようこれからも邁進していく所存である。