スポーツチャレンジ研究助成第9期生成田健造氏が取り組まれた研究、「Developing a methodology for estimating the drag in front-crawl swimming at various velocities」が「Journal of Biomechanics」に掲載されました。
題名 | Developing a methodology for estimating the drag in front-crawl swimming at various velocities | ![]() |
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著者 | Kenzo Narita, Motomu Nakashima, Hideki Takagi |
原著論文タイトル(和訳)
様々な泳速度におけるクロール泳中の泳者に働く抵抗力推定方法の開発
英文抄録の要約(和訳)
本研究の目的は,様々な泳速度において上肢と下肢の両方を用いたクロール泳をおこなった際の,泳者に働く抵抗力を評価する新たな方法論を開発することであった.本論文において,余剰推進力の計測から抵抗力を評価する新たな方法論(MRT)の基本的な概念及び測定機器について紹介する.さらに,MRTを用いて水泳中の抵抗力(自己推進時抵抗:Da)を評価し,さらに同一泳者で計測されたストリームライン姿勢時の抵抗力(受動抵抗:Dp)と比較した.自己推進時抵抗は1.0 – 1.4 m/s の5段階の速度で評価され,受動抵抗は0.9 – 1.5 m/s 間の流速において0.1 m/s 毎に計測された.MRTで評価された自己推進時抵抗の再現性は2名の泳者を対象に検証された.結果に関して,自己推進時抵抗(Da = 32.3 v3.3, N = 30, R2 = 0.90)は受動抵抗(Dp = 23.5 v2.0, N = 42, R2 = 0.89)よりも高い値を示し,2名の泳者を対象とした自己推進時抵抗の再現性はそれぞれ6.5%と3.0%だった.MRTは様々な速度や泳法での自己推進時抵抗の評価を可能とするため,MRTを用いた抵抗力の評価は水泳中の基礎的なデータを蓄積する上での重要な役割を果たすことが期待される.