中間報告会

半期の活動発表、人材交流と学びの場
 2024年10月6日

2024年度 第18期生スポーツチャレンジ助成 第2回中間報告会を実施しました

2024年度 第18期生スポーツチャレンジ助成 第2回中間報告会を実施しました

10月6日(日)、2024年度第2回目の中間報告会を東京・日本青年館で開催しました。今回は体験チャレンジャーの山田和花さん(空手)、長瀬凛乃さん(フェンシング)、吉田陽菜さん(フィギュアスケート)、藤村一慶さん(モーグル)、加藤茜さん(パラ陸上)、服部春花さん(セーリング)、佐々木颯杜さん(アイスホッケー)、研究チャレンジャーの阿部衛さん、竹村藍さんの8名が参加。それぞれが上半期のチャレンジ状況を振り返るとともに、下半期の活動計画について発表を行いました。

参加いただいた審査委員(敬称略・五十音順)

伊坂忠夫審査委員長、片山敬章委員、小島智子委員、杉本龍勇委員、瀬戸邦弘委員、髙橋義雄委員、増田和実委員、村上晴香委員、吉岡伸輔委員

2024年度 第18期生スポーツチャレンジ助成 第2回中間報告会を実施しました
山田和花(空手)
山田和花(空手)

上半期は、エジプトとモロッコで開かれたプレミアリーグ2戦、インカレ予選となる関東個人戦、そしてインカレの各大会に出場した。右ひざの膝蓋靭帯炎、そして外側半月板損傷など故障が続いたが、トレーナーや整体の先生などのサポートにより、直近では怪我とも上手に向き合えるようになってきている。エジプトでは新しい形に挑戦したが、地元選手との対戦で敗退。モロッコでは膝を悪化させてしまい、思うような形を打つことができず悔しい思いが続いた。一方で3年連続準優勝だったインカレではようやく納得のいく形を打つことができ、ついに優勝することができた。親身になってサポートしてくれた皆さんに心から感謝したい。下半期は秋から始まる団体戦、12月に行われる全日本選手権に向けて精一杯稽古を重ねていく。

長瀬凛乃(フェンシング)
長瀬凛乃(フェンシング)

海外の選手に勝てなければ世界ランキングが上がらず、オリンピックへの道が遠のく。招集された海外の試合にはできる限り出場し、コンスタントにベスト16を目指していく。5月に上海で開かれたグランプリでは初めてベスト32に進出し、この大会で自分が目指すべきスタイルをつかんだ感覚がある。今春から大学に進学し、ナショナルトレーニングセンターで高度な練習を積むことができるようになった。さらに成長を加速していくために、これまで大切にしてきた「感覚」に加え、今後は「データ」の活用を積極的に進めていきたいと考えている。ジュニア最終年となる2024年度の世界選手権では金メダル獲得を目指す。

吉田陽菜(フィギュアスケート)
吉田陽菜(フィギュアスケート)

オリンピックのプレシーズンに向けて、“成長するための新境地に挑戦”する新たなプログラムづくりに取り組んだ。ショートプログラムのテーマは「水滴から海へ」。インパクトのある最初の10秒から後半の激しいステップまで、静から動へのパワーを表現した力強いプラグラムができた。フリープログラムは「宇宙/生命」をテーマに、エモーショナルな構成となっている。また、ジャンプ力向上のための垂直跳び、ジャンプの質向上のための足首強化、さらに表現力の幅を拡げるためにコンテンポラリーダンスを取り入れるなど、新シーズンに向けて着々と準備を進めている。グランプリシリーズの2戦、そして12月の全日本選手権でベストな演技を披露し、年明けの国際大会を目指していく。

藤村一慶(モーグル)
藤村一慶(モーグル)

4月にイタリアで開かれたジュニア世界選手権に、8月にはオーストラリア・ニュージーランドカップに出場した。8月の大会ではエアの構成を変更し、第1エアで回転軸をずらした3回ひねり「コーク1080」を初めて大会に投入して2戦連続で優勝することができた。難易度点1.05のこの技は、小学5年生から練習してきたもの。トランポリン、ウォータージャンプ、雪上と段階的に積み上げを行い、完成度と安定した着地の反復練習を重ねてやっと本番で披露することができた。2026年ミラノ五輪出場を目指してカービングターンに磨きをかけるとともに、今後は「ダブルフルツイスト」「コーク1440」「トリプルフルツイスト」の習得にもチャレンジしていく。

加藤茜(パラ陸上)
加藤茜(パラ陸上)

加藤茜(パラ陸上)
400mと走り幅跳びでパラリンピック出場を目指している。私のチャレンジによって、障害の種類や程度が一律でないことを多くの人に認知して欲しいと願っている。上半期はフォーム改善、ペース管理、種目追加(走り幅跳び)、身体のケアに注力した。残念ながら、神戸パラやパリパラには条件を満たせず出場ができず、あらゆる面でレースに向けた計画的な取り組みが重要だと痛感した。しかし、所属チームや指導者が変わったことを機に、練習メニューや取り組み姿勢といった点でも質が高まったと感じている。下半期に向けてはフォーム改善とペース管理、身体ケアを軸に競技力を向上し、標準記録の突破を目指していく。

服部春花(セーリング)
服部春花(セーリング)

受験を控えた高校3年の1年間。学業と競技の両立を目指して1週間の自分のスケジュールを客観的に把握し、効率よくトレーニングすることを心掛けた。平日は下校後、塾の自習室で3時間勉強し、21時からジム、その後動画研究を行うリズムで日々を送っている。海上練習は週末のみ。テストや学校行事で海に出られないこともあることから、必要な練習環境を自分で整えるように努力した。たとえば仲間を誘ってのスタート練習や、大会海面での事前練習などもその一つ。また気象の勉強や栄養管理にも取り組み、その結果としてインターハイで2連覇を達成できたことは自信になった。一方でもう一つの目標であった国民スポーツ大会は、海面環境の違いに苦戦して2位となった。

阿部衛(研究)
阿部衛(研究)

昨年度に続き、「ローマ帝政前期における競技文化に関する研究」を進めている。上半期は剣闘士研究の単著の準備を進めるとともに、運動競技に関する論文の執筆を行った。前者は「帝政前期における剣闘士とローマ社会」と題し、競技と社会集団との関係性や剣闘士競技が人々を熱狂させた理由の解明などを行っている。後者は「二流の運動選手と東地中海世界」という仮題で進めている。こちらは昨年度の研究課題を継続。生業としての運動選手の可能性を検証し、年内投稿を目指している。今後は、選手としてのキャリアを活かして社会的に上昇する人々などに着目し、さらに研究を進めていく計画。

佐々木颯杜(アイススケート)
佐々木颯杜(アイススケート)

シーズン終了後、今年もノバスコシア州でオフシーズンのトレーニングを行った。オンアイスではプレーの認知・判断・実行のレベルアップに取り組み、オフアイスでは体幹とバランス強化に重点を置いた。どのような体勢でも片足でバランスを保てるようになるまで、毎日反復を繰り返した。8月は日本に帰国してU20日本代表合宿に参加した。監督も替わってゼロからのアピールが必要だったが、紅白戦で2試合連続得点することができた。9月には所属チームのキャンプが始まり、好調のまま臨んだプレシーズンマッチではオフシーズンの成果を示すことができた。また9月末には2024-2025も開幕し、ここまでの3戦は2勝1敗。1ゴール・1アシストを記録している。