日時 | 2024年12月12日(木)13:30〜14:00 |
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受賞者 | 青松 楽(あおまつ がく)さん |
作品名 | 里山でみつけたオオミズアオ |
贈呈者 | 公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団(YMFS)常務理事 河邊 幸司 |
環境大臣賞を受賞した青松 楽さんの表彰式を行い、当財団の常務理事 河邊幸司より表彰状を贈呈しました。
楽さんは、絵を描くことがとにかく大好き。1歳くらいから描き始め、「今では朝起きたら近所の公園に鴨を見に行って絵を描いて。家に帰ってお昼を食べたら、またお絵描き。朝から晩まで、1日中、夢中で描いています」とお母様の寛子さん。
絵だけでなく、工作や観察も大好き。しかも傾ける情熱たるやハンパありません。例えばブーメランにのめり込んだときは、どんなブーメランならば確実に手元に戻ってくるのか、形や長さ、中心の重量、そして投げ方をあれこれ試行錯誤。完成するまで何百回、何千回と繰り返したと言います。また虫を観察している時には、食事の時も横に置いてひと時も目を離さず、寝る時も虫と一緒という具合です。そして観察して分かったこと、気づいたこと、図鑑で調べたこと、自然教室で先生方から教えていただいたことなどを事細かくメモや絵にまとめています。時に毒虫と分かっていながらあえて触って水ぶくれができてしまい、寛子さんは慌てて楽さんを連れて皮膚科に駆け込むも、本人は臨床図鑑をお医者さんに見せ、「どれくらい毒があるのか試してみたら、この通り」と報告した出来事もあったそうです。
そんな楽さんの受賞作品は、京都の里山や兵庫の森へフィールドワークに行ったときに、見たり体験したことを鉛筆、ボールペン、クレヨン、絵の具、色鉛筆、サインペンと色んな道具を使って描いたもの。翅脈や眼状紋を始め、ピンク色の足や前翅の縁に、細かい毛の生えた黄色い触角と、細部まで描写されたオオミズアオを中心に、木には蜜の匂いに誘われ飛んできたオスとメスのカブトムシにキイロトラカミキリ、池にはアメンボ、げんごろ、アカハライモリ、コオイムシ、タイコウチ、メダカ、さらに葉の上には、“メスはオレが取るんだ”みたいに相撲していたオトシブミのオス2匹とメス1匹、地面には、野いちご、鹿のフンを前にどちらが卵を産みつけるか揉めている2匹のオオセンチコガネのメスなど、生き物の生態含めて描かれています。そしてめったに見ることのできないオオミズアオに遭遇できたことに感激した楽さん本人も驚きの表情で登場しています。
最近は、虫よりも鳥やカエルを描くことが多く、時々ストーリーまで自ら考えマンガを描くこともあるという学さん。「将来は、生物の研究者」を目指しているそうですが、寛子さんは、「“楽”の名前通り、自分も楽しみながら、周りの人たちをも楽しませることのできる子に育ってもらえたら嬉しいですね」と目を細めていました。