体験型スポーツ教室/イベント

身体を動かす楽しさをより多くの子どもたちへ
 2021年度 チャレンジ!ユニ★スポ

展開事例の紹介 ‐ 静岡市立清水江尻小学校

「地域のお年寄りと一緒にボッチャを楽しむ交流会」の開催

12月15日(水)、静岡市立清水江尻小学校では「地域のお年寄りと一緒にボッチャを楽しむ交流会」が開催された。これは、10月に開催した「チャレンジ!ユニ★スポ」ボッチャ体験会のあと、その楽しかった体験をもとに4年生担任の松岡先生が「みんな、このあとどうしていきたい?」と児童に投げかけたことから始まる。児童からは「もっとやりたい」「いろんな人に知って欲しい」「いろんな人とやれるスポーツなのでいろんな人ともやってみたい」などの意見が出た。「いろんな人ってだーれ?」と尋ねると、家族、障害者、お年寄り、低学年などの意見があがり、まず1,2,3年生と一緒にやる体験会を開催。続いて「近くにいるおじいちゃん、おばあちゃんたち。」と話が膨らんでいき、今回の交流会につながったということである。

まず、用具であるボッチャボールは数が足り無いのだが、これは「チャレンジ!ユニ★スポ」で提供した「ボッチャボールの作り方」を参考として、児童がそれぞれに手作りでボールを作成。また参加者集めにあたっては、児童が手作りでボッチャ交流会の案内チラシを作成し、近くのシニアクラブやデイサービスなどに案内されている。当日は体育館に約40名のお年寄りが参加された。児童は受付でチーム分けされた名札を参加者の皆さんに配布、押し車のお年寄りへは、児童が寄り添いながら会場に案内していた。

進行プログラムは「チャレンジ!ユニ★スポ」で体験したことを基に、児童がそれぞれの役割分担を決めて作っていったとの事である。最初に「私たちは授業でボッチャを知って、もっといろんな人に知って欲しいから体験会を開くことにしました。」「ボッチャは年齢、障害に関係なく楽しめるスポーツです」としっかり開催趣旨を説明。

小学校では運動前に必ずおこなう準備体操についても、参加されたお年寄り(みんなイスに座っている)の事を考えて、「座ったままでいいです」と説明が入り、首回しなどお年寄りでも負担の無い内容で実施したのち早速各コートに分かれて体験会を開始した。

各コートでは児童が指導役となって、ルールや投げ方、点数の数え方を説明。ボールが手作りな為、思い通りに転がらない事もあってか、歓声やため息が入り交じりながらゲームを進めていった。驚いたのは、視覚障害者を想定しての投球まで実施したことである。おじいちゃんおばあちゃんには目をつぶってもらい、狙いのジャックボールの位置から児童が拍手で音をだして投げてもらう模擬体験である。これも自分たちの体験をもとに組み上げた進行であるが、そこまで行うとは思っていなかったので非常に嬉しく感じた。

体験会終了後には、児童がお年寄り一人一人のそばに寄り添い、個々に感想を聞いていた。参加されたおじいちゃんおばあちゃんに対して、「しっかり伝える」、「耳を傾ける」、「一緒に楽しむ」、が盛り込まれた交流会となっていることを感じた。

ユニバーサルなスポーツ教材として実施した「チャレンジ!ユニ★スポ」が、先生のリードや児童のいろんなアイデアで応用展開され、意識や行動を変化させるきっかけとなること、そして地域交流や相互理解につながっていく事は当プログラムの願うところである。