スポーツ・チャレンジャーズ・ミーティング

対象者が一堂に集い語り・学び・考える
 2024年度(第18回)スポーツ・チャレンジャーズ・ミーティング

2025年度(第19期生)助成金贈呈式

第18回YMFSスポーツ・チャレンジャーズ・ミーティングは、スポーツチャレンジ助成第19期生への贈呈式で開幕しました。渡部克明理事長から第19期生一人ひとりに贈呈書の授与が行われた後、チャレンジャーを代表して古澤陸さん(体験)が力強い決意表明を行い、30名の新たなチャレンジがスタートしました。

2024年度(第19期生)助成金贈呈式
開会挨拶|渡部克明理事長
開会挨拶|渡部克明理事長

今年度は、新たに30名の皆さんをチャレンジャーとしてお迎えすることになりました。一年間、どうぞよろしくお願いします。
YMFSは「スポーツを通じて、夢の実現にチャレンジする人を応援する」公益財団です。ですから歴代の助成対象者の皆さんを、私たちは「チャレンジャー」と呼んできました。書類審査、面接審査というプロセスの中で、伊坂審査委員長をはじめ各先生方が選考のポイントとして重視したのは、皆さんのこれまでの実績ではありません。ひと言で申し上げるなら、これからの「伸びしろ」です。その「伸びしろ」を見極めるために、一人ひとりの情熱、目標、そこに到達するまでの計画を厳しい視線で審査していただきました。他の助成制度とはややアングルの異なるそうした視線をもって、たくさんの申請者の中から皆さんを選考させていただいたわけです。今年度も、大きな「伸びしろ」を持った、私たちをワクワクさせてくれる魅力あふれるチャレンジャーを選考できたと自負しています。
もう一つ、私たちの助成制度が大切にしているのは、人とのつながりです。たとえ競技や研究の領域は違っても、互いに学び合い、切磋し、刺激し合うことはとても大切なことです。縁あって第19期生として肩を並べた者同士、アスリートも研究者もその垣根なく積極的につながり合って、自己の成長の糧としてください。
そこには日常のトレーニングや研究活動にはない、化学反応のきっかけがあるかもしれません。そしてこのスポーツ・チャレンジャーズ・ミーティングは、その起点となる大切な機会です。
つながりの対象は、チャレンジャー同士だけではありません。本日もご参加いただいている審査委員の先生方は、それぞれ研ぎ澄まされた専門性を持ち、さまざまな経験を積まれてきた方々ばかりです。選考の過程では厳しく審査の目を光らせますが、助成期間は頼れるアドバイザーとして皆さんのチャレンジを後押ししてくださいます。こうした先生方との出会いも、きっと皆さんの未来にとって大きな意味を持つことになるでしょう。皆さんが抱える課題や疑問。そうしたことを臆することなくぶつけてみてください。先生方とのつながりは、皆さんのチャレンジに大切な何かを与えてくれるはずです。
今日・明日の二日間にわたって、第18期生の成果報告が行われます。自ら掲げた目標に対して果敢に挑み、その目標を見事に達成した人、惜しくも届かなかった人、成果はさまざまです。そのチャレンジの過程に耳を傾け、凝視し、自身のチャレンジと照らし合わせてみてください。それを刺激に、皆さんも一年後に大きな成果を携えてこの会場で発表してくださることを期待して、私からの激励の挨拶とさせていただきます。頑張りましょう!

決意表明|第19期生代表 古澤陸さん
決意表明|第19期生代表 古澤陸さん

この度は、2025年度YMFS スポーツチャレンジ助成、第19期生に僕たちを選んでいただきありがとうございます。
僕は3歳からレスリングを始めました。レスリングは昨年のパリオリンピックでフリースタイル、グレコローマンスタイル、女子レスリングで金メダルを合わせて8個獲りました。いま、日本は世界から注目をされています。
僕の夢はブリスベンオリンピックで金メダルを獲ることです。そのためにはアンダーカテゴリーのアジア選手権、世界選手権でチャンピオンになる必要があります。昨年はアジア選手権で優勝したので、今年は必ず世界選手権で活躍してみせます。
しかし、僕には絶対に乗り越えなくてはならない大きな壁があります。それは、家族の中に同じ目標を持つレスリング選手が3人もいることです。兄はU17世界選手権で2位、もう一人は僕の双子の兄で全国大会の決勝で何度も戦っているライバルです。3人とも、オリンピックに出場することはそんなに甘い世界でないことはわかっています。同じ学校、同じ道場での練習なので、毎日が全国大会のような緊張感があります。
この特殊な環境とプレッシャーに押しつぶられそうになることは何度もありました。ここまで続けてこられたのは、たくさんの人たちの支えがあったからです。
レスリングの試合時間は短いです。中学生は240秒で終了してしまいます。僕はこの240秒にすべてを注ぎます。そして私たち19期生はそれぞれの目標に向かって精一杯チャレンジできることに感謝し、自分を信じて高みを目指して努力していくことをここに誓います。