スポーツチャレンジ賞

スポーツ界の「縁の下の力持ち」を称える表彰制度

第14回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞 功労賞を受賞した伊藤 裕子さんに表彰状を贈呈

第14回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞 功労賞を受賞した伊藤 裕子さんに表彰状を贈呈

公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団では、5月30日(月)、新型コロナウイルス感染防止対策を行いながら、「第14回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞功労賞」を受賞した伊藤 裕子さんに表彰状とメダル、記念品を贈呈しました。例年、春先に表彰式を行っていますが、コロナ禍の状況を鑑み、開催を見合わせています。

伊藤 裕子さん談
伊藤 裕子さん談

「活動自体は小さいですが、30年続けて来たことが評価されてなによりです。しかも選考くださった委員のみなさんは、スポーツ関係者が多く、福祉的な観点からではなくスポーツ支援活動として認められたことに、とても誇りを感じています。障害者スポーツが福祉と捉えられていた、私が活動を始めた30年前には、考えられないことです。

練習は苦しいし、怪我などのリスクも付き物ですし、やってみて自分の体で覚えていくしかないなど、スポーツには厳しい側面があります。だからこそ、水の中という比較的ケガをしにくい環境を生かして、障害のあるなしに関わらず、同じ厳しさを持って指導にあたってきました。そこを認めてもらえたことが嬉しいですね。

私自身は、色んな障害のある方と30年接して来て、自分の世界を広げてもらったという思いです。この子はこれができない、できるようにするには何をどうしたらいいのだろうと、障害のあるその子がいてくれることによって、ここを工夫してみてはどうかなどと、新たな発想が生まれますからね。

これから取り組みたいことは、主に2つあります。

まずは、今までやって来た活動をいかに伝えていくかということです。今年も小学校、中学校、高校と講演の依頼をいただいておりますので、子どもたちに直接話せる機会として活用したいと考えています。

また、私と同じ想いをもって指導してくれる若い後継者を育成していきたい。30代くらいの指導者が、小学生くらいの子どもを預かれば、その子が成長していく間、ずっとそばに寄り添って指導を続けられますからね。

水泳は他のスポーツにとって基本的な体力づくりにも役立つので、『うちの水泳教室の子どもたちが他のスポーツもできるようになるといいな』という想いがあります。ですので、いろんな競技の指導者に『障害をもっている子どもたちにも教えてみませんか?』と声をかけているところです。以前には考えられませんでしたが、サッカーの指導者もバレーボールやソフトボールの方も、みなさん『いいですね』と前向きな返事をいただいています。

まず、1、2年かけていろんなスポーツを教える側の人材を育成。その育った指導者が活動できるスポーツ教室を、年に数回のコースでも構わないので、開講するところまで漕ぎ着けたいですね。可能な限り行政とも協力しあって。

さらに30年水泳を指導して来た中で、素直で柔軟な幼稚園くらいの頃から、障害のある・なし関わらず一緒にスポーツを楽しむことが、相互理解にすごく大事だと感じています。ですので、指導する対象年齢も下げて活動していきたいと考えています。

今回の受賞をきっかけに、私たちの活動への理解がさらに深まり広がっていくと期待しています。この度は、ありがとうございました」