体験型スポーツ教室/イベント

スポーツ体験事業のレポートを紹介します。
 2022年度 チャレンジ!ユニ★スポ

展開事例の紹介 – 静岡市立由比北小学校

地域公開授業の一環として「ボッチャ体験会」開催。
子どもたちの戦略に大人も思わず真剣勝負

展開事例の紹介 - 静岡市立由比北小学校

9月10日(土)、静岡市立由比北小学校にて地域公開授業の一環として「ボッチャ体験会」が行われ、保護者や地域の方と児童がともにボッチャを楽しみました。地域公開授業として、大人と子どもたちが一緒にできることは何かないかと思案していた際、7月に3・4年生が福祉の授業の一つとして実施した、当財団主催の「チャレンジ!ユニ★スポ」のボッチャ体験からヒントを得て採用したそうです。
「チャレンジ!ユニ★スポ以来、子どもたちはボッチャに夢中です。まず、頭を使うゲームであること。そして足が速いとか遠くまでボールが投げられるとか、これまでのスポーツで優位とされていたフィジカル要素を問わず、みんながイコールコンディションで楽しめること。この2つがボッチャにハマる大きな理由ではないでしょうか」と校長の石田美紀子先生。
あまりに子どもたちがボッチャに熱中していることから、由比北小学校ではボッチャセットを購入し、公式競技の半分ほどのサイズでボッチャシートを自作したほど。

公開授業でのボッチャ体験会は、1年生から3年生の時間帯と4年生から6年生との2回に分けて行われ、「チャレンジ!ユニ★スポ」の体験授業を受けた3・4年生が、それぞれの時間で、ルール説明や体験後のインタビューなどの進行役を務めました。

ゲームは、「保護者や地域の大人VS子どもたち」で対戦。子どもたちは、3・4年生が「チャレンジ!ユニ★スポ」でボッチャ体験した際、全校児童32名という小規模校であることから、児童全員が途中で合流し、多少なりともボッチャに触れたことがありましたが、大人のみなさんは、ほぼ全員がボッチャ初体験。最初は、子どもたちにやり方やルールを教わりながら、ゲームを進めていきます。
目標とするジャックボールめがけてボールを投げるも、思うように転がらなかったり、せっかくジャックボール横にボールを近づけても、相手の好プレーで弾き飛ばされてしまったり。ボールの扱いの上手・下手だけでなく、どのボールに当てて相手のボールを弾き、自分のチームのボールをジャックボールに近づけるか、残りの球数なども念頭に、作戦を考えて戦います。
ゲームの回数が進むにつれて、好プレーに歓声が湧く場面も増え、途中、対戦相手を変えつつ、白熱したゲームがあちこちのコートで繰り広げられました。

子どもたちは「みんなでボッチャができたので、勝っても負けても、すごく楽しかった」「ジャックボールにボールをベタづけすることができた。お父さんに勝ててうれしい」「お母さんチームのボールを吹っ飛ばすことができて、気持ちよかった」「障害がある人はすべり台を使ったり、それぞれ工夫したりして、ボッチャはみんなで楽しめるところがいい」「狙った通りにボールを投げるのは難しいけれど、それができたらすごくうれしい」などと、保護者や地域の方といっしょにボッチャをプレーした感想やボッチャの魅力を話してくれました。

また保護者の方からは「子どもが大きくなって、走るのも速くなり、親子一緒にできるスポーツが減っていくなか、ボッチャはゲーム性もあって親子で楽しめますね」「子どもの方が意外に上手で、熱戦になり、大人気なく真剣になってしまいました(笑)」「楽しいですね。家にもひとつ、ボッチャセットが欲しいくらいです」「子どもが初めてボッチャを体験した日は、家に帰ってくるなり新聞紙を丸めてボッチャのボールを作成し、習いたてのボッチャを家でやったほど。子どもがボッチャにハマっていることは知っていたのですが、自分もやらせてもらって、ここまで夢中になる理由がわかった気がします」などの感想が聞かれ、誰もがともに楽しめるスポーツとしてのボッチャの魅力を実感されたようでした。

ボッチャに積極的に取り組んでくださっている3・4年生の担任・島田恵理子先生によると「ボッチャは、パラリンピックで見て、競技自体は知っていましたし、ルールはシンプルなんですが、実際にプレーしてみるとこれがとっても奥深いんです。頭を使うゲーム性も手伝って、これまで体育の授業で目立っていなかった子が、活躍できるケースも多く、自信を得るきっかけにもなっています。プレールームにはボッチャのコートを常設していて、時間があれば遊んでいるほど子どもたちは夢中です。
今後、10月には1年生から6年生まで縦割りでA班B班に別れてのボッチャ対抗戦を予定。さらに地域のシニアクラブとボッチャを通じて交流しようという計画もあるんですよ」とのこと。

「チャレンジ!ユニ★スポ」のボッチャ体験会で得た学びを子どもたちが主体となって、きちんと体現してくれているなと感心しました。「年齢や性別、障害の有無に関係なく、みんなで一緒にできる」やり方を先生と考えながら、とても楽しそうに取り組んでいました。今後子どもたちが出会う、さまざまな環境の人たちとの相互理解のきっかけになりそうです。

展開事例の紹介 - 静岡市立由比北小学校
展開事例の紹介 - 静岡市立由比北小学校
ボッチャのルール説明をする4年生
展開事例の紹介 - 静岡市立由比北小学校
やり方やルールを子どもたちに教わりながら一緒にプレーを楽しむ保護者のみなさん
展開事例の紹介 - 静岡市立由比北小学校
赤と青、どちらがジャックボールに近いか計測
展開事例の紹介 - 静岡市立由比北小学校
審判やスコア付けも自分たちで
展開事例の紹介 - 静岡市立由比北小学校
上級生が下級生にやり方を教える場面も
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授業の最後には、地域のみなさんとボッチャを楽しんだ感想を発表
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ボッチャ体験は、福祉の授業の一環でもあり、ユニバーサルデザインについて児童から親御さんにインタビューする場面も
展開事例の紹介 - 静岡市立由比北小学校
「チャレンジ! ユニ★スポ」に応募くださりボッチャ体験を積極的に推進してくださっている島田恵理子先生と1〜3年生の児童のみなさん