中間報告会

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2011年10月29日

平成23年度スポーツチャレンジ助成 第5回目中間報告会を実施しました

平成23年度スポーツチャレンジ助成 第5回目中間報告会を実施しました

10月29日(土)、都内で今年度の第5回目となる中間報告会を実施しました。この日は、第5期のスポーツチャレンジ研究助成対象者の井出さん、尾崎さん、高橋さん、溝口さんと、外国人留学生奨学金対象者の林さん(台湾)、呂さん(中国)の計6名に参加していただきました。

井出さんと尾崎さんはスポーツ生理学視点、高橋さんと溝口さんは人文系視点の研究について、それぞれの進捗状況と今後の展望を話していただきました。林さんと呂さんからは、各テーマに沿った調査報告、進捗状況、今後の展望を話していただきました。

報告会終了後は、浅見審査委員長を囲み座談会を行いました。ここでは研究者らが日頃抱えるテーマを出し合い忌憚のない意見交換が行われ、貴重なコミュニケーションの場となりました。一番にテーマにあがったのは“限られた時間のなかで如何に研究を進めるか”、ということ。そこでは「専門分野以外に時間が費されても無駄ではない。いつか役立つもので自分の引き出しが増える。忙しさは前向きに捉えよう」という積極的意見などが話され、参加者は決意を新たにしていました。

さらに、他分野とのコラボレーションについても興味深い意見がありました。「共通のテーマをもって研究をすれば、スポーツ科学の発展の糸口になるだろう」「自然科学の研究成果は一般には難解なもの。内容を翻訳してもらう意味でも、人文科学系の方との共同研究は価値がある」といった発言に全員がうなずいていました。最後に「スポーツは良いものという信念だけで取り組んでいると発展はないもの。広い視野をもつことが、研究には肝要なことである」と浅見審査委員長に締めくくっていただきました。

平成23年度スポーツチャレンジ助成 第5回目中間報告会を実施しました
平成23年度スポーツチャレンジ助成 第5回目中間報告会を実施しました

参加いただいた審査委員

浅見審査委員長、伊坂審査委員、草加審査委員、小西審査委員、定本審査委員、事務局


井出幸二郎(第5期生)

短時間の律動的な呼吸運動が注意機能を亢進させうるか否か


井出幸二郎(第5期生)人は通常1分間で15回程度の頻度で呼吸をする。それを1分間に4回程度に随意的に深くゆっくりとしたとき、副交感神経が刺激され、心拍の揺らぎが増大する。前頭前野の機能が心拍の揺らぎと相関するという研究報告があることから、呼吸調整により心拍の揺らぎを増大させると、前頭前野機能を高めるのではないかと仮説を立てて実験を始めた。予備実験では仮説を半ば支持する結果であったが、本実験では被験者を呼吸法鍛錬者に選定し、前頭前野機能に対する丹田呼吸の効果を検討したが、前頭前野機能の向上という結果は得られなかった。現在、呼吸法の手順を変更した実験を進めている。

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尾崎 隼朗(第5期生)

血流制限下の歩行運動が筋サイズ及び有酸素能を同時に改善するメカニズム解明


尾崎 隼朗(第5期生)低強度のトレーニングでも筋への血流を制限すれば筋サイズや筋力が増加することが明らかになっており、さらに私たちは歩行運動と血流制限を組み合わせると筋肥大と有酸素能の向上がともに引き起こされることを確認してきた。今回は、そのメカニズムについて検討している。被験者は男子6名。ベルトを使い片足のみに血流制限を加え歩行運動する実験を既に行ったが、当初の推測とは若干異なる結果を得た。運動強度を%Vo2maxで設定したために、各被験者の下肢骨格筋に対する力学的なストレスが一定ではなかったかもしれないなどの課題が浮上した。それを踏まえながら目下採取した筋サンプルを解析中である。

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高橋 京子(第5期生)

インドの伝統的マーシャルアーツの健康科学としての機能解明


高橋 京子(第5期生)6月までに動作分析用のソフトを確保した。8月にはインド南部の地方都市、および州都を訪問、早朝7時からのカラリパヤット体験を含む観察、ビデオ撮影、カラリパヤット(道場)でのインタビュー、当地での病気・健康観に関する聞き取りを行った。結果、カラリパヤットの動作は全身運動で血流循環を高める効果があることや、「アマルチャ」と呼ぶ体位は背中のリラクゼーションに有益であること、脳にも効果がありエクスサイズ後は眠気がこないことなどを確認した。今後、動作解析ソフトを適応し、初心者と経験者を比較しながら動作解析を進める。

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溝口 紀子(第5期生)

女子柔術・柔道における歴史社会学的研究


岡崎(高橋) 京子(第5期生)欧州の柔道史、国内外の女子柔道と段位制度に関して、明治から戦前までの歴史を紐解きながら、「武徳会」と「講道館」の関連性や女子柔道の発展を研究中。7〜8月は東大、同志社大などで文献を収集した。共同研究者の下楠昌也氏は熊本大で調査した。8月にはフランスで柔道研究家との研究会をもった。日本の柔道指導に関し記述した論文が9月にフランスの「レ・キュップ」誌で掲載され各方面から反響を得た。この一連の調査の中で、実は江戸時代にも女子柔道の萌芽があった形跡を見た。今後、そこを含めて深く調査、検証作業を進めたい。

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林 欣儀(第5期生)

自転車ツーリズムによる地域活性化に関する研究


林 欣儀(第5期生)昨今台湾で空前の自転車ブームが到来した。この背景下、日本と台湾での“自転車ツーリズム"による地域活性化効果を調査研究している。台湾では50を超えるサイクリングロードが整備されているが、今回は台北市近郊のサイクルロード管理者とレンタルショップ管理者等からの取材・調査を行い、利用者ニーズや行動特性を収集中。現在2004年から昨2010年までのデータを精査し、地域活性化との連動性を探っているところである。

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呂 路(第5期生)

中国における学生運動選手の社会的スキルとスポーツ経験の影響


呂 路(第5期生)青少年にとってスポーツ経験は、本人の心理形成や「社会的スキル」に影響を及ぼす点に着眼点を置いている。今回は中国の学生3,100名(有効回答2,336名)へのアンケート調査を行い、スポーツ経験の有無や経験期間の違い、また種目やレベルの違いにより、協調性・社交性・個性などにどのような差異や特性が出るかを調査、現在分析を進めているところである。

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