中間報告会

半期の活動発表、人材交流と学びの場
 2014年10月18日

平成26年度 第8期生スポーツチャレンジ助成 第4回中間報告会を実施しました

平成26年度 第8期生スポーツチャレンジ助成 第4回中間報告会を実施しました

10月18日(土)、ABCアットビジネスセンター(東京都)にて平成26年度 第4回目の中間報告会を実施しました。この日は体験チャレンジャーの藤田拓哉さん(モーターサイクルレース/選手)、小林由貴さん(スキー・クロスカントリー/選手)、田中幸太郎さん(レスリング・フリースタイル/選手)、佐々木陽菜(フェンシング・サーブル/選手)、研究チャレンジャーの内田若希さん、江島弘晃さん、平山邦明さん、内田昌孝さん、大林太朗さん、外国人奨学生のソン・ボギョンさんの合わせて10名が参加しました。

報告会終了後の座談会では、「フェアプレーとは何か?」というテーマで意見交換を行いました。チャレンジャー自身の考えや疑問をぶつけ合い、審査委員の先生方も交えながら、活発な意見交換が行われました。






参加いただいた審査委員

浅見俊雄審査委員長、伊坂忠夫審査委員、草加浩平審査委員、柳敏晴評議員(オブザーバー)、綿貫茂喜審査委員(五十音順)


藤田拓哉さん(体験/モーターサイクルレース/選手)

これまでは明確な課題を自分で見つけられないことが一番の課題だった。そこで実績のあるライダーをアドバイザーとして迎え、客観的な指摘と指導を受けてきた。具体的には練習走行では必ずマシンにオンボードカメラを搭載し、トップライダーと自分のラインどりやブレーキングポイントの違いを確認し、その改善に取り組んでいる。しかし全日本選手権で表彰台に立つという目標はまだ達成されておらず、ここまでの最高位は7位と結果が出ていない。最終戦に向けて万全の準備をするとともに、来シーズンはさらなるステップアップをめざして海外のレースにもチャレンジしたいと考えている。

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小林由貴さん(体験/スキー・クロスカントリー/選手)

今年度はクロスカントリー王国ノルウェーのクラブチームに所属し、トップ選手たちとレベルの高いトレーニングを積んでいる。練習内容も初めて経験することが多く、7月には寝袋やテント、食料などを背負っての3日間の登山合宿も行った。また8月にはスウェーデンのスキートンネルで合宿を行い、久しぶりにスキーに乗ってテクニックの確認・向上に取り組んだ。ノルウェーに渡ってから何度もタイムトライアルや大会に参加するなど、シーズンオフによるレース離れをせずにここまで来れている。これまで一度も勝ったことのない先輩選手と同着・同タイムでゴールするなど、少しずつ自分の中に自信も芽生え始めている。

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田中幸太郎さん(体験/レスリング・フリースタイル/選手)

怪我の多いシーズンとなってしまっている。明治杯での肉離れに加え、夏合宿では右大胸筋腱を断裂してしまった。リハビリはJISSのクリニックにいただいたメニューを消化した。一方、この時期に新たな取り組みとしてメンタルトレーナーの指導を受けた。目標を時系列に並べることで毎日の目標が明確になるなど、新たな気づきを見つけることができた。出場をめざしていた世界選手権には代表選手のサポートとして帯同した。当初は屈辱も感じたが、世界選手権を自分の目で見ることができたのと同時に、海外の選手と一緒に練習する機会も得られるなど有意義な経験となった。また、その後ロシアの名門チームで合宿を行い、現在は天皇杯優勝に向けてトレーニングを重ねている。

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佐々木陽菜(体験/フェンシング・サーブル/選手)

高校3年生になった今年、親元を離れNTCの近くで一人暮らしを始めた。これまでと較べると格段にトレーニング時間も増え、また十分な休息をとることもできるようになった。去年までは父がすべての予定を組んでくれたが、それを自分でマネジメントすることに難しさもおもしろさも感じている。7月には韓国での合宿に参加して、現地の指導者から最も伸びた選手として褒めていただいた。しかし、その成長がいまのところ結果に表れていない。下半期は海外での試合が増えるため、1試合1試合結果を意識して自信につなげていきたいと思う。

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江島弘晃さん(研究)

第2四半期は「骨格筋の細胞内Ca2+を制御する因子を機能阻害した条件下での運動後のCa2+蓄積程度の比較」を予定していたが、完遂できなかった第1四半期の課題を継続し、実験を遂行した。運動プロトコルの変更などによって時間はかかってしまったが、測定系の確立および運動負荷実験の着手に成功することができた。今後に予定している次実験は私自身がすでに経験を持っているので計画どおりに進捗できると考えている。

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平山邦明さん(研究)

第1四半期に生じた研究計画の変更に伴い、トレーニング群10名に対して12週間のプライオメトリックトレーニングを検者管理のもとで行った。また、中間および事後測定では、ドロップ跳躍中の床反力や足関節角度など多数の項目の測定を行った。測定は計画通りに進捗しているが、先行研究よりも跳躍パフォーマンスの改善率が低いため、技術的変化を検出できるか不安もある。焦らず、丁寧で正確な分析を進めていきたい。

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内田昌孝さん(研究)

肥満を呈すると肝臓に脂肪が蓄積、脂肪肝の症状を呈することが知られている。第2四半期では、タンパク質レベルでの変化をとらえることにチャレンジし、マウスの肝臓の組織染色を行って肝臓の脂肪蓄積を評価した。その結果、遺伝子変異マウスは野生型マウスに比べて肝臓への脂肪の蓄積が観察された。しかし、自発運動を行わせた群では遺伝子変異マウスにおいて肝臓CD36発現が低下する傾向が観察されている。第1四半期に外注した次世代シーケンス解析については現在報告を待っている状況。これについては成果報告会で報告したい。

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大林太朗さん(研究)

復興三大公園の具体的なスポーツ施設およびその利用状況の解明に取り組んでいるが、岩手大学で行われた日本体育学会第65回大会で本研究の課題について発表する機会を得、分科会の先生方や先輩方から発展的なアドバイスを受けることができた。しかし、筑波大学への就職準備や入院により研究課題の遂行は十分にできたとは言えない。仕事の管理も落ち着き、また体調も順調に回復しているので、引き続き史料調査やフィールドワークに励んでいきたい。

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内田若希さん(研究)

日本障がい者スポーツ協会と日本パラリンピック委員会の協力を得て、8〜9月にかけて郵送による調査を実施した。現在そのデータ整理と分析作業を進めている。またインタビュー調査に向けてインタビューガイドを作成し、質的研究会のメンバーから助言もいただいた。さらに第2四半期では活動計画を一部変更させていただき、パラスポーツ科学の世界トップとも言われるラフバラ大学(英)を訪問した。ここでも資料の収集はもちろん、本研究について助言をいただくことができた。

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ソン・ボギョンさん(外国人奨学生)

私の研究テーマは、水泳選手が試合前の待ち時間に体験する心理的問題やその対処方法を把握すること。競技者としての経験は持っているが、研究者としてはまだ基本ができていないと痛感している。これまでに複数の調査を実施し、分析も行っているが、あらためて対象者(高校生の水泳選手)との関係づくりが非常に大切だと感じた。「スポーツの現場に本当に役立つもの」という目標を実現するためにはまだ努力も勉強も足りないが、より積極的な姿勢で取り組んでいきたい。

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