年度別チャレンジャー一覧

助成対象者のチャレンジ概要
山仲 勇二郎
氏名
山仲 勇二郎(やまなかゆうじろう)
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(基本):第14期生
光と運動による生物時計調節メカニズムの解明:運動による効果的な生体リズム調整法の開発を目指して

申請者は過去に光と運動を組み合わせることで生体リズムを速やかに調節することを報告したが、そのメカニズムは不明であった。本研究では運動は生物時計の光反応性を増強し、光による生体リズム調節を増強するとい う仮説を実験的に証明する。そのため、健康成人を対象に異なる強度・照明下で運動を行い、運動中の瞳孔径および交感神経活動と生物時計に制御されるメラトニンリズムの変化を比較する。

成果報告(2021年3月)

本チャレンジでは、自身の先行研究において光と運動を組み合わせることにより生物時計を効率よく調節すること可能になることを発見したが、依然として不明であったメカニズムの解明に挑戦した。当初の計画では、夜間に高照度光下で強度が異なる運動を負荷し、交感神経活動の上昇度に応じて、瞳孔径およびメラトニン濃度が変化するかを実験的に検証する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い研究室内に被験者が滞在して研究を実施することが困難となった。そこで、研究計画を見直し、まずは運動による交感神経活動の増加そのものが生物時計には影響しないことを確認するための実験を行い、低照度光下での運動では交感神経活動は増加するが運動前後でメラトニン濃度には変化がない、つまり、生物時計への影響が少ないことを確認した(4~9月)。次に、将来の社会実装を見据え、当初は本研究終了後に計画していたウェアラブル型の高照度光照射装置を用いて、夜間に光照射を行い夜間のメラトニン分泌が抑制されるかを検証する実験を12名の被験者を対象に実施した(10月~2月)。まだ、メラトニン濃度の測定は終了していないが、3月の成果報告会までには終了する予定である。現時点(2月)では、依然として新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、研究室内での実験が実施できない状況が続いているが、本研究計画における最終目標を達成するため、ウェアラブル型高照度光装置を装着した状態で瞳孔径を測定しながら運動を負荷し、交感神経活動、瞳孔径、メラトニン濃度の変化を検証する実験を進められるよう最大限努力していきたい。