中間報告会

半期の活動発表、人材交流と学びの場
 2016年9月24日

平成28年度 第10期生スポーツチャレンジ助成 第2回中間報告会を実施しました

平成28年度 第10期生スポーツチャレンジ助成 第2回中間報告会を実施しました

9月24日(土)、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都)にて平成28年度 第2回目の中間報告会を実施しました。この日、参加したのは体験チャレンジャーの石井駿平さん(自転車ロードレース/選手)、梅津 春香さん(フェンシング・フルーレ/選手)、柳岡はるかさん(フェンシング・フルーレ/選手)、若月新さん(スキー・アルペン/選手)と、研究チャレンジャーの小林雄志さん、三浦哲都さん。オランダに留学中の中田貴央さんは、インターネットを通じて報告を行いました。

報告会終了後の座談会では、「チャレンジをより高めるための心の持ち方、高め方」というテーマでグループディスカッションを行いました。まず、チャレンジャーが自らの経験を踏まえてそれぞれの意見を語り、それらの考えに対して審査委員の先生方が助言を行うなど、活発な意見交換が行われました。





参加いただいた審査委員

浅見俊雄委員長、衛藤隆委員、遠藤保子委員、草加浩平委員(五十音順)


梅津 春香さん(フェンシング・フルーレ)

5月に日本で開かれたアメリカ、ドイツとの合同合宿、そして6月にアメリカで開かれた合宿に強化選手として参加した。そこで剣を交えた外国人選手たちは、日本人選手と較べて突きや相手の剣を叩く動作に強さがあって衝撃を受けた。また、身長差がある相手に対しては、小柄な自分の間合いでプレーしなければならないこと、そして心技体+頭脳が必要なことをあらためて実感した。ただ、そうした合宿の中で、外国人指導者から「フットワークが良い」と評価を得られたことは自信にもなっている。また、法政大学の一員として出場した関東学生リーグで優勝し、これまでとは違ったかたちで競技の喜びを体験することができたことも上半期の収穫。実戦中心のNTCのトレーニングだけではフィジカルが不足してしまうため、大学の設備を使わせていただきながらさらなるレベルアップを図っていきたい。10月に開かれるジュニアワールドカップではメダル獲得をめざす。

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小林 雄志さん(研究)

瞬発的筋力発揮トレーニングとスロートレーニングを組み合わせることで、双方の短所をカバーする新しいトレーニング手法の開発にチャレンジしている。4月から立命館大学に移り、これまでとは異なる環境の中で研究を継続しているが、本実験で使用する機器設定の確認については概ね計画どおりに実施することができた。一方でトレーニングプロトコルについてはまだ検討の余地があり、引き続き予備測定と予備実験を進めていきたい。本実験は10月に実施する計画。ここから得られる知見は、神経生理学や筋生理学にも応用できると考えている。

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石井 駿平さん(自転車ロードレース)

鹿屋体育大学のすばらしい環境の中でトレーニングを重ね、入学してから9月までの間に12レースに出場した。U23全日本ロード10位、インカレ7位、ツールド北海道のU23でステージ7位などがここまでの主な記録。ジュニア時代はトラック競技とロード競技を両立していたが、レベルの高いU-23カテゴリーでは難しいと感じ、現在はロードレースに絞って強化を図っている。まずはロードで実力と実績を積み上げ、将来的には再びトラックとの両立を狙っていきたいと思っている。ここまでのところ、全国的な大会でも積極的な走りができているし、その結果としてチームに貢献することもできたことで、入学時に感じた不安は少しずつ解消されてきた。2020年東京をめざして、着実に力をつけていきたい。

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三浦 哲都さん(研究)

科学的な検証をされた能力ではない「リズム感」の解明・定量化をめざし、トップアスリートの動作にも見られる「引き込み」に着目した。上半期では、陸上競技会100m競技を撮影したビデオの解析によって、ある条件で「引き込み」の証拠を確認した。今後は「いつ引き込みが生じるのか」「引き込みが勝負に関わるのか」といった視点で研究を進め、「リズム感がない」と言われる日本人アスリートのリズム感を鍛え、競技レベルの底上げに貢献できるようチャレンジを続けていきたい。

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柳岡 はるかさん(フェンシング・フルーレ)

リオ五輪大陸予選に出場する代表選手のスパーリングパートナーとして遠征に帯同した。4月のアジア選手権では、そのリオ代表の2人を破って8位に入賞し、自信をつかんだと同時に悔しさも深まった。また、若手の編成で出場した4月の世界選手権団体は12位となり悔しい思いもしたが、2020年東京大会では団体戦も行われるのでこれを良い経験にしたいと考えている。リオ五輪にも、事前のニューヨーク合宿から現地まで、ずっとスパーリングパートナーとして日本チームに帯同した。その期間、自分自身が出場するんだという心構えを維持していた。そこで感じること、気がつくことがたくさんあり、この経験は確実に仮想2020となったと思う。また、ロシアのトップ選手の取り組み姿勢や勝負どころでの気持ちの強さを間近で見るなど、自分の中に大きな刺激を取り込むことができた。10月からはワールドカップシリーズがはじまる。まずはベスト16をめざす。

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若月 新さん(スキー・アルペン)

全日本スキー連盟のアルペンジュニア強化指定選手に選考され、上半期の強化計画を変更した。6月から7月にかけて日本代表のオーストリア遠征に参加して、氷河のスキー場1ヶ月間じっくりとトレーニングをしてきた。世界トップクラスの選手たちとの練習は本当に勉強になったと感じている。また、高校スキー部の陸上トレーニングでは、主にフィジカルの向上に努めてきた。その結果、ベンチプレスやスクワットなどで大幅な体力アップを図ることもできた。次のシーズンでは、インターハイでの2冠(回転・大回転)と、11月からはじまるFISレースでFISポイント35点を目標に掲げる。それを達成すれば、同世代での1位も視野に入ってくる。粘り強く、努力を重ねられることが自分の長所。それを武器にますます成長して、2022年冬季北京オリンピックにつなげていきたい。

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中田 貴央さん(留学生)

勤務しているクリニックの代表が中国スーパーリーグのPTとして招聘されたため、現在は同クリニックで一般の患者さんやアスリートのトレーニングや治療のサポートを行っている。また、それらの活動に加えて、リオ五輪サッカー日本代表候補選手や欧州リーグで活躍する日本人選手、さらにリオ五輪に出場した日本人馬術選手のトレーニングサポートも行っている。一方で大学院への入学手続きも完了し、9月からはクリニックでの臨床経験をさらに深めながら、学術的にマニュアルセラピーを学んでいく体制も整った。知識と経験を積み重ねて、めざす「サッカーに特化したPT」へと一歩一歩近づいていると感じている。この道を信じて、オランダの医学的な視点からサッカー日本代表に貢献するという目標を必ず実現したい。

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