- 氏名
- 玉井 奈緒(たまいなお)
- 助成実績
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スポーツチャレンジ研究助成(基本):第12期生
車いすバスケットボール選手における競技時の座圧と皮膚ダメージとの関係 ―褥瘡予防ケアプロジェクト―
本研究では、座圧測定センサーを競技用車椅子の座面に装着することで、競技時に臀部が受けている圧力の持続的な測定に世界で初めてチャレンジする。また強い圧迫を受けている皮膚を非侵襲的なサーモグラフィーやエコー、skin blottingの手法を用いて客観的に評価することで、皮膚内部が受けているダメージを定量化する。それにより、効果的に圧を緩衝し、ダメージの緩和に繋がる予防ケアに繫げることを目指す。
成果報告(2019年3月)
本研究では、これまで車いす競技に取り組むアスリートがスポーツを実施する上で問題とされていた二次障害のうち、褥瘡に焦点をあてた研究である。褥瘡の予防には原因である体圧のコントロールが必要不可欠であるが、これまで実際のスポーツ中の座圧分布を測定した研究は皆無であった。そのような中で日本代表チームの褥瘡予防への強い想いと我々の目的の一致、さらには本助成をいただくことで、競技中に測定可能なセンサシートや無線ロガーの購入/レンタルができ、今回の研究が遂行できたといえる。
測定において困難であったのは、実際の車いすにセンサシートを設置し、いつもの動作を実施してもらうことであり、固定方法などの工夫に時間を要した。また日本代表チームでの実施においても多忙な試合の合間のスケジュール調整に苦労したが、予定していた座圧測定、サーモグラフィーやエコー、skin blottingの手法を用いて皮膚内部の損傷の客観的評価について実施ならびに分析まで達成できた。今後のケアについては現時点では示唆にとどまっており、今後選手へのフィードバックならびに必要なケアアルゴリズムの作成に繋げていくことが課題である。
年度別チャレンジャー一覧
助成対象者のチャレンジ概要