
- 氏名
- 竹村 藍(たけむらあい)
- 助成実績
-
スポーツチャレンジ研究助成(基本):第18期生
脱トレーニング時の軽度な高気圧高酸素環境への滞在はトレーニング効果を持続させるか
本研究は持久力トレーニングの後にトレーニングの休止を行い、その際に軽度な高気圧酸素へ滞在することでトレーニング効果を持続させられないかを明らかにする。
これまでの研究から、軽度な高気圧酸素環境への滞在が廃用性モデルラットの筋萎縮を抑制することが明らかになっている。
本研究の実施によって、脱トレーニング時の軽度な高気圧酸素への滞在がトレーニング効果の持続に貢献するかどうかを解明する。成果報告(2025年3月)
トレーニングの休止によるトレーニング効果の減弱は、怪我等でトレーニングを一時的に中断しなければいけないアスリートにとって大きな課題である。本チャレンンジでは、トレーニング休止中に軽度な高気圧酸素環境 (1.3気圧、38%酸素濃度) へ滞在することで、トレーニング効果を継続できないか検討した。具体的には、ランニングホイールを使用して、4週間にわたってマウスに自発的な走運動をさせ、その後2週間の運動休止期を設けた。運動休止によって、骨格筋重量が低下し、エネルギーを産生するミトコンドリアの量が低下した。休止期間における軽度な高気圧酸素への滞在は、トレーニング効果の減弱に影響を及ぼさなかった。仮説とは異なる結果が得られたものの、トレーニング休止中に軽度な高気圧酸素が及ぼす影響についての研究はこれまでになく、新しい知見を得ることができた。得られた成果は、学術論文として国際誌に投稿・発表する予定である。