年度別チャレンジャー一覧

助成対象者のチャレンジ概要
高橋 克毅
氏名
高橋 克毅(たかはしかつき)
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第14期生
拡散テンソル画像を用いた筋形状測定法の確立

本研究では、脳科学分野で用いられている拡散テンソル画像(DTI)法を骨格筋に応用し、生体内での筋形状測 定にチャレンジする。もしDTI法によって筋形状が正確に測定されれば、その測定値は既存の方法論(超音波 法)による測定値と近似し、さらに筋機能の個人差を説明することができると予想される。本研究ではこれらの点 を明らかにすることで、DTIによる筋形状測定の妥当性を検証する。

成果報告(2021年3月)

本チャレンジの目標は、MRIの拡散テンソル画像法を用いた筋形状測定の妥当性を検証し、方法論を確立することであった。この目標を達成するため、①動物筋を用いた測定精度の検証、②人間生体筋における再現性の検証、に取り組んだ。研究①では、摘出した動物筋が生体環境の筋と異なるため、MR装置で撮像した画像に大きなアーチファクトが生じ、筋形状の解析を行うのが困難であった。この問題を解決するため、サンプルである摘出筋を寒天に埋め込み固定した状態での撮像を試みた。その結果、得られた画像は良好であり、超音波法によって推定された筋束の3次元形状値に近似した。一方、サンプルを直接解剖した際の切断面において、筋束を同定することが困難であり、この点は今後の課題となった。研究②では、同様のアプローチを用いて、人間生体筋における筋形状測定値の再現性を検証した。その結果、筋形状パラメータにおいて比較的高い再現性が確認され、生体筋への応用可能性が示された。今後は、本チャレンジのアプローチを用いて、各種スポーツ競技者の筋形状特徴を評価し、身体運動パフォーマンスを最適化する身体デザインを明らかにしていきたい。