
- 氏名
- 鈴木 智大(すずきともひろ)
- 助成実績
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スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第18期生
3次元スポーツ動作自動分析のための画像処理技術の研究
本チャレンジでは、複数台のスマートフォンで撮影した日常練習の動画を自動で処理できる、手軽な3次元動作分析技術の開発を行う。また、開発した技術によって陸上競技選手のトレーニング中の動作データを長期間にわたって収集・分析することで、これまでのスポーツ科学では明らかにできなかった知見の獲得と、アスリートへの有効なフィードバックを目指す。
成果報告(2025年3月)
本チャレンジ前半では、複数台のカメラを利用する条件下で、カメラ較正や関節位置の測定、そしてAIモデルの最適化までを自動で行うシステムを開発した。その結果、約4cmの誤差で人間の3次元関節位置が推定可能なAIを実現した。一方で、目的スポーツの正確な動作データなしでは、AIの性能に限界があると感じた。
そこで後半には、複数の陸上競技種目からなる動作データセットを構築し、これを用いて高性能な関節位置推定AIを作成し公開した。また、このAIや物体検出・トラッキングアルゴリズムなどの技術を駆使し、固定カメラで撮影した映像から目的の選手の抽出、2次元・3次元の関節位置座標の取得までを完全に自動で行うシステムを実現した。
本成果は情報学における貢献だけでなく、情報学領域の技術を応用領域に適用する足掛かりになった。今後は、システムによって収集したデータから有用なデータを抽出する手法の開発に取り組む。