- 氏名
- 白井 隆長(しらいたかなが)
- 助成実績
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スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第14期生
運動効果を打ち消さない異なる様式のトレーニング実施順序の考案
ラグビーやバスケットボールのように筋力と持久性能力の両方を必要とする場面が数多く存在する競技では筋力強化のためにレジスタンス運動を行うが、これは持久性運動によって運動効果が弱められる(干渉効果)。そこ で効果的・効率的に両運動効果を得るための方法として運動の実施順序により干渉効果を抑制できると考え た。さらに短時間高強度間欠的運動も組み合わせ、より効果的・効率的な運動プログラムの考案を目指す。
成果報告(2021年3月)
今年度はCOVID-19による未曾有の災禍に見舞われ、大学への入校禁止に伴う実験停止など、ハードルはさらに高まり、まさに「チャレンジ」であった。私はこの状況をチャンスと捉え、集中してチャレンジの準備に取り掛かれたことに加え、これまで行なってきた実験の論文採択など、個人的に嬉しいニュースもあった。緊急事態宣言解除と同時に、いざ実験を開始すると、実験やその解析がスムーズに行えるとともに、これまでの生活がいかに恵まれた環境であったかをひしひしと感じることができた。その後もトラブルもなく、当初予定していた学会発表や中間報告、最終的には実験データを論文採択まで達成することができ、1年前に計画した実験をほぼ完遂できた。現在は当初の予定だけではなく、得られたデータのメカニズムを追う追加実験も行なっている。
今回のチャレンジテーマである運動効果を打ち消さない異なる運動様式の実施順序について、レジスタンス、持久性、高強度インターバル運動のうち、2種類の運動様式を選択する場合、「レジスタンス運動→持久性運動」、「高強度インターバル運動→レジスタンス運動」、「持久性運動→高強度インターバル運動」の実施順序が運動効果を打ち消さない実施順序であることが示唆された。この運動処方はアスリートにとっては非常に興味深い知見であるとともに、実効性の高いエビデンスであると考えているため、今後は現場での検討や応用につなげていきたい。
年度別チャレンジャー一覧
助成対象者のチャレンジ概要