年度別チャレンジャー一覧

助成対象者のチャレンジ概要
佐藤 冬果
氏名
佐藤 冬果(さとうふゆか)
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(基本):第15期生
ASEを活用した野外教育プログラムによる自己および集団への教育効果の検討

本研究チャレンジは、個人の成長と集団の成長の両面に対するASEの効果を検証し、年齢段階ごと、さらに競技レベル等の集団特性ごとに特徴を整理することが目的である。ASEに関する先行研究のメタ分析(課題1)、参加者に対する質問紙調査(課題2)、過去のASE参加者やASEを積極的に導入する競技団体への聞き取り調査(課題3)により総合的に検討し、教育手段として、そして競技力向上の手段としての価値を検討する。

成果報告(2022年3月)

ASEを導入した野外教育プログラムがスポーツ集団や、そこに属する個人に与える効果を検討するため、本研究では主に、チーム作りにASEを導入する指導者9名、そしてASEを体験した参加者8名に対するインタビュー調査を行いました。その結果、課題解決に向けてのコミュニケーションを通じた相互理解の深化や、意見を提案し合える関係性の醸成などの意義が確認されたのと同時に、普段取り組んでいるスポーツ種目から離れたASEの場では、正解がないこと等のASE課題の特徴も相まって、経歴や技術差が影響した既存の関係性から離れて交流できることがスポーツ集団特有の意義として語られました。ASEの意義について、参加者の方々の目線からお聞きしたことで、ASEの可能性を改めて感じる研究となりました。今後は研究の成果を広く伝えると同時に、自身の指導に還元し、スポーツの発展に貢献できたらと思います。ありがとうございました。

スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第14期生
アウトドアスポーツを教材とした大学体育によるSelf-authorship育成の試みと発達過程の検討

本研究はアウトドアスポーツを教材とする大学体育授業においてSAの発達を促す授業モデルを実践し、混合研 究のアプローチによってその成果を検討するものである。具体的にはSA評価尺度による数量的評価、そして授 業の映像・参与観察・受講生に対するインタビュー調査による質的評価を行い「体育授業におけるSA発達プロセ スモデル」を提示することで、新たな観点から大学体育の教育的意義を示すことを目指している。

成果報告(2021年3月)

本研究チャレンジは、アウトドアスポーツを教材とした大学体育授業によって、近年米国の教養教育研究分野で21世紀型能力の基盤となる能力として注目が高まっているSelf-authorshipの育成を試み、その成果を体育授業受講生に対する質問紙調査、面接調査によって検討するものでした。新型コロナウイルスの感染拡大により、データ収集を予定していた体育授業が遠隔授業となってしまったことで、予定していた質問紙調査による研究が実施できず、難しい状況の中でのスタートとなりましたが、その分、前年度のレポートの質的分析という計画していた研究以外の新たな研究を始めることができました。対面授業が再開となった下半期には、延期していた質問紙調査による研究と、予定していた面接調査を同時並行で進めることができ、論文の投稿に至ることができました。1年を振り返ると、対面授業の中止という想定外の状況に向き合いつつ、その時々に実施可能な研究を着々と進めることができ、結果的には、計画以上の研究成果を得ることができたことに満足感を覚えています。参考文献の購入や、研究補助者謝金、被験者謝金、原稿翻訳代などを助成頂いたことで、より質の高い研究成果をよりスピーディーに得ることができました。研究を支えて頂いたことに感謝し、論文の掲載まで責任を持って進めていきたいと思います。