- 氏名
- 野々山 隼弥(ののやましゅんや)
- 助成実績
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スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第17期生
慢性足関節不安定症に対する感覚運動循環システムの機能改善に焦点を当てたニューロモジュレーションの効果
慢性足関節不安定症(CAI)では、姿勢制御中に視覚からの感覚入力への依存が感覚入力の重み付けを変化させ、感覚運動循環システムの異常を招いている可能性がある。本チャレンジでは、脳の興奮性を抑制的に調整する経頭蓋静磁場刺激(tSMS)を視覚野に処方し、姿勢制御中の視覚依存の脱却および感覚入力の重み付けの調整を生じさせるかを明らかにする。その後、tSMSの処方が中枢神経機能およびCAIの後遺障害にもたらす効果を検証する。
成果報告(2024年3月)
本チャレンジでは、慢性足関節不安定症に対する視覚野へのニューロモジュレーションが、動作中の視覚依存を減少させ、バランス機能を改善するかどうかを明らかにすることで、新たな治療戦略を確立することを目指した。
研究課題①では、慢性足関節不安定症を有する人々を対象に、一過的な視覚野への経頭蓋静磁場刺激(tSMS)の適用が、姿勢制御中の視覚依存度およびバランス機能にもたらす一過性効果を現在検証している。現時点で統計的有意差は観察されていないが、tSMSが姿勢制御中の視覚依存度を低下させる傾向があると示唆された。
活動計画よりも進捗が遅れているが、実験の準備を丁寧に行い、着実に研究を進めることができたと感じている。今後、研究課題①の実験と解析を進め、研究課題②である中期的なtSMSの適用効果を検証する。また研究課題①②で得られた成果を学術論文として国際誌に投稿・発表する予定である。
年度別チャレンジャー一覧
助成対象者のチャレンジ概要