- 氏名
- 中山 滉一(なかやまこういち)
- 助成実績
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スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第15期生
下り坂疾走が固有走(平地走)に与える即時的効果の検討
様々なスポーツにおいて,疾走能力は競技パフォーマンスを左右する要因の1つであり,疾走能力を高めることは重要である.そこで,走者の加速を補助することで最大疾走速度を向上させるアシステッド・トレーニングがある.その手段には,器具を利用したものと自然を利用したものに大別される.本研究では環境条件を容易に設定できる自然的な方法の「下り坂」を用いて,平地における疾走動作の即時的な介入効果を検討する
成果報告(2022年3月)
ヒトの疾走能力を高めるトレーニングのひとつに下り坂走がある。これまでの研究では、下り坂走における斜度の違いが、異なる動作変容を生じさせることを報告している。そこで、本チャレンジでは異なる斜度の下り坂走が固有走(平地走の疾走能力)に与える即時的な影響を検証した。男性陸上競技者23名を3つの群(Con・3°,5°群)に振り分け、下り坂走を介入する以前の試技(Pre)と介入後(Post)を比較した。その結果、5°群のPostにて、支持距離と支持時間が増大した。しかし,動作的特徴には個人差による影響であった。この結果は、最大速度時における推奨される特徴とは異なることから、5°の下り坂走は即時的に疾走能力を高めるトレーニングに適さないことが示唆された。今後は下り坂走における筋活動や力学的作用を検証し、下り坂走の運動メカニズムを検証していくことを新たなチャレンジとしていく。
年度別チャレンジャー一覧
助成対象者のチャレンジ概要