- 氏名
- 水野 沙洸(みずのさひろ)
- 助成実績
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スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第12期生
高強度運動後における超低温環境(-140℃)への短時間(3分間)の身体曝露の効果
運動後における単回のWBCの実施が筋機能の回復に及ぼす影響を検討する。この際、筋機能の低下の要因となる運動誘発性筋損傷の軽減効果に加えて、骨格筋の酸素・循環動態や糖代謝、筋温・皮膚温、炎症・免疫反応の経時変化を評価し、筋機能の回復促進の機序を複数の視座から検討する。なお、筋機能の回復には炎症反応の多寡の関連する可能性が高いことから、本研究では特に炎症性・抗炎症性サイトカインの動態に焦点をあてる。
成果報告(2019年3月)
第1四半期においては、測定手法や測定値の再現性の確認のため予備実験を実施した。この際の冷却療法には、全身低温療法の代替の手段として、競技現場において普及している冷水浴療法を用いた。その結果、採取したデータ(外因性グルコースの利用動態および局所循環動態)の妥当性および再現性が認められ、本測定における主要な測定項目の評価手技を獲得することができた。第2四半期〜第3四半期では本測定の実施を進める予定であったが、至適な曝露プロトコルの再考および冷却機器の稼働に時間を要し、測定の実施は第4四半期まで見送られた。その後実施した本測定では、数名を対象にデータの採取を行なったものの、対象者の安全性確保の観点から測定を一時中断するに至った。
予備実験および数名を対象とした本測定から、予備的データとなるものの、冷却に伴う身体の生理応答を評価することができた。また、文献研究により「1年後の到達目標」として挙げていた冷却に伴う生理応答および筋機能の回復促進に関わる機序の理解が得られた。しかし、当初の計画に則した研究は遂行することができず、チャレンジの完遂には至らなかった。
年度別チャレンジャー一覧
助成対象者のチャレンジ概要