年度別チャレンジャー一覧

助成対象者のチャレンジ概要
松田 晃二郎
氏名
松田 晃二郎(まつだこうじろう)
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第13期生
イップスの発症・長期化の要因および効果的な対処法の検討

まず,スポーツ選手は,なぜイップスに発症し,なぜすぐにイップスを改善できないのかという疑問を,インタビュー法を用いた質的研究と質問紙を用いた量的研究によって明らかにする.そしてそこで明らかになった要因を基に対処法を探索し,実際に数名のイップス経験者に対する縦断的な介入研究を行う.さらにその事例的な介入研究を繰り返し行い,イップスの発症および長期化の効果的な対象法を探索する.

成果報告(2020年3月)

一年間,私の研究活動を様々な側面からご支援いただき,心より感謝申し上げます.実は,応募書類を提出した際には,私は,まだ博士後期課程の大学院生であり,就職も決まっていない状況でしたので,1年間PDとして大学院に残り,日々研究活動に励もうと考えておりました.しかしながら,幸いなことに現在私が所属する大学に採用いただき,4月から大学教員としての生活が始まりました.初年度ということで,慣れない公務や日々の授業に追われ,あっという間に1年近くが経ちました.そのような状況を考えると,空き時間を有効に活用し,研究活動に精進できたのではないかと考えております.助成金を活用し,多くのアスリートに調査を行い,集取したデータを分析し,アウトプットする活動も一定数できました.まず,心理学に関する世界最大の団体であるAmerican Psychological Associationが主催するAPA Convention 2019で研究成果を発表することができました.また,別の研究を国内学会でも発表いたしました.さらに,学会でいただいた意見を活かし,研究成果を論文としてまとめ,国際学術誌に投稿し,現在査読中です.加えて,もう一編の論文も間も無く国際学術誌に投稿します.さらに,提出していたAbstractが採択され,来年度の8月に開催されるAPA Convention 2020でも発表できることになりました.サンプリングに苦戦し,随分予定よりも進捗が遅れましたが,振り返ると,ある程度の成果は残せたのではないかと考えております.今回,スポーツチャレンジ助成を受けることができたことで,私自身の研究が進み,成果を残せたことはもちろんですが,それ以上に,多くの優秀な研究者の方々に出会えたことが私にとっての最大の実りだと思います.今後同期の研究者と共同研究をしていく予定です.