年度別チャレンジャー一覧

助成対象者プロフィール
前大 純朗
氏名
前大 純朗(まえおすみあき)
所属
立命館大学スポーツ健康科学部
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(基本):第17期生
単関節運動と多関節運動による筋肥大効果の違いとその相乗効果を探る
スポーツチャレンジ研究助成(基本):第16期生
全可動域または筋伸張位での部分可動域で行う股関節伸展トレーニングの筋肥大と疾走パフォーマンス改善効果

大臀筋を主とする股関節伸展筋群の大きさは、疾走タイムと強い関係がある。従来のトレーニングガイドラインでは、運動を広い可動域(全可動域)で行うことが推奨されているが、近年の研究では、筋が伸ばされた状態(筋伸張位)でトレーニングを行うことで、筋肥大効果が高まることが示唆されている。本チャレンジでは、股関節伸展トレーニングによる筋肥大と疾走パフォーマンス改善効果を、トレーニングを全可動域または筋伸張位での部分可動域で行う場合とで比較する。

スポーツチャレンジ研究助成(基本):第15期生
関節トルクが最大となる関節角度は筋肥大のための至適なトレーニング実施角度となりうるか?

発揮可能な筋力(関節トルク)は関節角度によって変わる。関節角度を固定して行う等尺性トレーニングは、関節トルクが最大となる関節角度(Optimal条件)で実施される場合が多いが、筋が伸ばされる関節角度(Long条件)でトレーニングを行うことにより、筋肥大効果がより大きくなる可能性がある。本チャレンジでは、この二条件で行うトレーニングの筋肥大効果を比較する。

成果報告(2022年3月)

本チャレンジでは、関節角度を固定して力発揮をする等尺性トレーニングについて、筋肥大を促すうえで最も効果的なトレーニング実施角度を明らかにすることを目的に、トレーニング介入実験を行った。先行研究では、筋が伸ばされる関節角度でトレーニングを行うことで、筋が短くなる条件でトレーニングを行う場合に比べ、筋肥大効果が高まることが報告されている。一方、発揮可能な筋力(関節トルク)は関節角度によって変わるが、筋力が最大となる関節角度と、筋が伸ばされる関節角度条件でのトレーニング効果を比較した研究はなかった。本チャレンジを通して、膝を曲げる筋であるハムストリングスに関しては、「筋力が最大となる関節角度でトレーニングを行うよりも、筋が伸ばされた状態で行う方が、筋肥大効果が大きい」ことが明らかとなった。膝を伸ばす筋である大腿四頭筋についても、現在解析を進めており、一刻も早く研究成果を公表できるよう努めている。