年度別チャレンジャー一覧

本研究の目的は、卓球競技向けのトレーニング・アシストシステムを構築することにある。ナショナルトレーニングセンター(以下NTC)で練習する選手とコーチに対する調査の中で、もっとも要望の高い項目に卓球のサーブのボール回転に関する情報があげられた。そこで特にサーブの運動直後に運動分析と運動のアドバイスを行うトレーニング・アシストシステムを構築することが研究の目的である。この研究プロジェクトは、主に４つの研究から構成されており、1)センサによるラケットの運動計測、2)ボールとラケットと卓球台との衝突物理モデル、3)ボールの流体力学解析、4)高速度撮影された画像によるラケットとボールの運動計測、から構成される。これらの研究成果から、サーブの直後に、自動化された画像処理・画像理解から、どの程度の回転速度が出ていたのか分析結果を提示をしたり、どのようなラケットの運動を行うとより効果的なサーブが打てるというアドバイスを、同定した物理(衝突と流体)モデルから予測を行い与えることができるようにする。物理モデルを同定することによって、ラケットやボールの性能評価等、これ以外の様々な応用も期待される。本研究成果は、日本卓球協会競技者育成委員会と協力し、このシステムを実際に国立スポーツ科学センター(以下JISS)に隣接するNTCで練習する選手に実際に利用していただく形で試される予定である。