年度別チャレンジャー一覧

助成対象者のチャレンジ概要
池上 和
氏名
池上 和(いけがみのどか)
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第17期生
成長期アスリートの競技種目が骨発育に与える影響

長距離選手は他競技と比較して骨密度が低く、疲労骨折が多いことが報告されている。低骨密度や疲労骨折の予防には成長期の骨発育が重要であると考えられているが、実際に成長期アスリートを対象とした研究は国内外ともにほとんど見られない。本研究では、様々な競技種目の成長期アスリートを対象に骨密度を測定し、成長期長距離選手の骨発育の特徴と低骨密度のリスク因子を明らかにすることを目的とする。

成果報告(2024年3月)

疲労骨折のリスク因子の一つに低骨密度が挙げられ、大学生を対象とした先行研究では長距離競技は他競技と比較して低骨密度の選手が多いことが明らかとなっている。しかしながら、このような競技特性による骨発育の影響がいつ頃から生じているかは不明であった。そこで私は「成長期アスリートの競技種目が骨発育に与える影響の解明」というチャレンジテーマを掲げ、様々な競技種目の選手を対象に骨密度の測定を行った。その結果、成長期の時点で既に競技種目による骨密度の違いが生じており、特に女子選手において顕著な違いを示した。この要因には競技種目による運動負荷だけでなく、月経状態やエネルギー摂取状態などの内分泌の影響も深く関わっていることが示唆された。今後は縦断的な検討を継続するとともに、「どうすれば成長期の骨量獲得を高めることができるのか」についてスポーツ現場に提言ができるよう、チャレンジを続けていきたい。