年度別チャレンジャー一覧

助成対象者のチャレンジ概要
藤森 俊秀
氏名
藤森 俊秀(ふじもりとしひで)
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第18期生
最大疾走時の筋腱相互作用に迫る

本チャレンジでは、ブラックボックスとなっている全力運動中の筋と腱の運動を、ポータブル超音波測定具の開発によって明らかにする。
しかし、超音波計測技術上の限界(コード長の問題・プローブ固定装具の問題)から、全力疾走など「ヒトの身体運動の限界」において筋や腱がどのように力発揮を行っているのかは明らかになっていない。申請者は超音波診断装置のデータ取得を「バックパック型ポータブル超音波測定具」の開発によって無線化し、全力運動中の筋腱動態を取得する。

成果報告(2025年3月)

本チャレンジでは「バックパック型ポータブル超音波測定具」を製作することで、全力疾走中ヒト生体の内側腓腹筋-アキレス腱の筋腱動態を撮影することに成功した。ジョギングペースから全力疾走まで複数の速度条件を設定し、走動作中の筋と腱のパワー発揮がどのように変化するのかを検討した。現在、得られたデータの処理を行っている途中ではあるものの、全力疾走に向かって走速度が増大するにつれて腱パワーは大きくなっていく一方で、筋パワーは途中で頭打ちになっていることが示唆された。本成果は国際バイオメカニクス学会での発表を予定している。今後、論文化に向けてさらなる分析を続けていきたい。また、対面で実施されたYMFSチャレンジャーズミーティング・中間報告会での発表や出席者同士の交流などでは、今後のチャレンジに繋がる刺激を頂いた。心から感謝を申し上げたい。