
- 氏名
- 相羽 枝莉子(あいばえりこ)
- 助成実績
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スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第18期生
感情表出を抑えることは有効か?-感情表出抑制による心理・パフォーマンスへの影響-
本テーマの主たる課題は,スポーツの競技場面で「感情を表に出すこと(あるいは,隠すこと)による影響が不明瞭である」こと。この課題を明らかにするために,感情を隠すことによる心理的側面への影響について,実験的手法を用いて検証していきたい。
本チャレンジではクローズドスキルに絞って検証し、感情表出抑制が他者の心理的側面に及ぼす影響を検討することが,本チャレンジのポイントである。成果報告(2025年3月)
私は、感情表現を抑える態度(表出抑制)が心理面やパフォーマンスに及ぼす影響について、先行研究では十分に扱われていない『他者への影響』にも着目して検討しました。今回はバドミントンに焦点を当て、その解明に取り組みました。
自己への影響については、表出抑制によって、サーブの正確性および快感情の低下が認められました。他者への影響については、表出抑制を行う選手の試合映像を観察者に視聴させ、その選手に対する印象や、観察者の心理面への影響を検討しました。その結果、表出抑制を行う選手に対しては、強さや威圧感といった印象が低く、対戦相手を油断させることに繋がる可能性が示唆されました。
本助成を通じて、他(多)分野の視点から自身の研究を見直す機会を得られ、研究者として次のステップを踏み出す契機となりました。本チャレンジの成果を活かし、今後も大事な場面で最大限に実力を発揮するための感情制御の解明に、努めていきます。