年度別チャレンジャー一覧

助成対象者のチャレンジ概要
吉沢 直
氏名
吉沢 直(よしざわなお)
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(奨励):第17期生
日本のスキー場はいかに地球温暖化に対応していけるか?-人工雪設備の地理学的分析

本研究は、日本のスキー場における人工雪設備の設置状況の地理学的分析を通して、その現状や課題を明らかにすることで、日本のスキー文化の持続的発展に寄与する知見を得ようとする。課題1:人工雪設備の設置・運用の現状や課題を、効果的に分析可能な「長野県および兵庫県」でのスキー場経営主体への聞き取りに基づいて明らかにする。課題2:人工雪設備のデータベースを作成し、その特徴を分析する。

成果報告(2024年3月)

スキー場の地球温暖化への対応において重要な役割を担う人工雪施設について、日本初の全国調査を実施できた点が本チャレンジの成果である。その結果、日本全国のスキー場にて約3500台の人工降雪機および100台弱の人口造雪機(ICS)が稼働していることが明らかになり、それらの地域的傾向が分析できた。また、長野県と兵庫県のスキー場を中心に、特徴的な人工雪施設利用を行うスキー場へのヒアリング調査を実施した。スキー場の人工雪利用の形態に着目すると、「a)人工雪依存型、b)シーズン初期補雪型、c)限定利用型、d)人工雪利用中止型」の4タイプが存在し、それぞれの人工雪施設の利用方法が異なっていた。本研究の課題として、スキー場がこれまで人工雪施設をいかに設置してきたのかプロセスの把握を試みたが、データ取得が困難であり、あくまで2023-24年時の現状分析にとどまった点が挙げられる。