ジュニアヨットスクール葉山

セーリングスポーツを通して子どもたちの成長を
 2018年7月20日

水難事故防止のための体験学習「水辺の安全講習会」を実施

ジュニアヨットスクール葉山では、7月16日(月)に9回目となる水辺体験学習「水辺の安全講習会」を開催し、15人のスクール生とその保護者および指導者が参加しました。

この体験型の講習会は、水辺に親しみながら安全確保の知識や技術を身につける海洋教育の一環として海の日に合わせて行っています。例年同様に特定非営利活動法人日本ライフセービング協会のインストラクター指導のもと、水難事故防止を目的とした座学と実技講習を通じて「自分を守る(大切にする)」「仲間を守る(大切にする)」知識と技術を養いました。

西日本豪雨の犠牲者への黙とうから始まった今回の講習会。日本ライフセービング協会のインストラクターから、自分の命は自分で守る大切さや自ら考えて判断を下し行動に移すこと、そして声が通りにくい海上でのコミュニケーションのためのハンドサインを教わり、早速実技講習へ移りました。

森戸海岸沖の名島に渡り、学んだばかりのハンドサインに気づく練習からスタート。その後、二人一組でバディ(水辺活動を行う際の仲間・相棒)を組み、救助を待つ姿勢の復習やライフセーバーが使うニッパーボードの扱い方などを体験しました。

午後は、器具を用いて心肺蘇生(CRP)の手順やAEDの取り扱い方法のデモンストレーション、体験を行うほか、できるできないよりも、真剣に取り組む姿勢の大切さや人の気持ちを考えられるやさしさなど、レスキューの心構えについても講義を受けました。

インストラクターからは「日ごろから海で活動している子どもたちだけに、身を守ること、万が一の時のことを、実感をもって学んでくれている手応えがありました」、そしてスクール生から「どう対処したら良いのか学んだことで、海への恐怖心が少し薄れた」「普段体験しないことができて興味深かった」という感想が聞かれたように、目を輝かせ熱心に講習に取り組む姿が見られました。

「人の気持ちを受け止められるやさしさを重視」

《講師/インストラクター3名》 日本ライフセービング協会の皆さま(右から土谷こころさん、藤井正弘さん、石井勇貴さん)

「何度か水辺の安全講習会で指導していますが、毎回、心待ちにしています。日ごろから海に親しみ、馴れている子どもたちが対象ということで、普段のジュニア・ライフセービングの講習とは異なり、ジュニアヨットスクールのこれからの活動にも役立つ内容を心がけています。何度も参加してくれる子どももいますが、初めての子もいるので、みんなの様子を見ながら指導しています。今回いつも以上にまとまりよく行動できていましたね。自ら気づくだけでなく、気づいたことを仲間と共有して行動に移すなど、日ごろのチームワークの良さがにじみでていました。

ニッパーボードの扱い方や心肺蘇生の方法などのノウハウよりも、子どもたちには、仲間を大切にすること、人を受け止めるやさしさなどのスピリットをまず学んで欲しいと思います」(藤井さん談)

「海に馴れているからこそ、万が一のために貴重な経験ができました」

《スクール生》(写真下右から)長谷川理一くん、雄士くん、(後ろ)康高さん、和加子さん(保護者)

「小さい頃からボートに慣れ親しんできているので、息子たちは海への危機感がないんです。自然の厳しさ・怖さを学んで欲しいという思いもあって、昨年よりジュニアヨットスクール葉山に入校させたにもかかわらず、あまり実感していないようなので、予想外の事態に陥った際の判断力を付けさせたいと、今回初めて水辺の安全講習会に参加しました。専門知識を持ったインストラクターの方に改めて説明を受け、実際に道具を使って実践でき大変有効でした。万が一の時どういうことが起こるのか、船の後ろは船外機のプロペラが出ていて危ないなど、具体的に体感できたことは貴重な機会だったと思います」(康高さん談)