ジュニアヨットスクール葉山

セーリングスポーツを通して子どもたちの成長を
 2010年8月16日

普段とは異なる自然体験でチームビルドを実践『黒姫高原トレッキング』

チームを2班に分けて、それぞれのリーダーのもと、トレッキングをスタート
チームを2班に分けて、それぞれのリーダーのもと、トレッキングをスタート

「ジュニアヨットスクール葉山」が行っている夏休みを利用した自然体験学習のプログラムの第2弾は「黒姫高原トレッキング」です。8月5日から9日にかけて長野県の野尻湖をベースに行われたセーリング合宿の最終日に、約7キロのトレッキングコースを全員が完歩しました。シングルハンダ―艇(一人乗りヨット)での個人行動が多いスクール生達は、水辺を離れた普段とは異なる環境の中で、チームとして他人の意見や行動を意識しながら、協力して目標を達成することを学びました。当財団では、この経験が今後のセーリングライフにも活かされ、スクール生の知識向上や人格形成の一助となることを期待しています。

2チームに分かれ7㎞のコースを完歩

ジュニアヨットスクール葉山では、8月5日(木)から9日(月)の5日間、野尻湖(長野県上水内郡信濃町)においてセーリング合宿を実施しました。合宿には12名のスクール生とクラブ生が参加。期間中は共同生活を行いながら、午前と午後、みっちりとトレーニングを行い、セーリングの技術を高めました。

夏休みを利用した自然体験学習のプログラムの第2弾「黒姫高原トレッキング」はこの合宿の最終日に行われました。コースは長野県の黒姫高原町営駐車場から新潟県の苗名滝にいたる約7km。比較的起伏が少ないものの、険しい道もところどころにあり、山中の県境を徒歩で越えるという経験もできます。このコースを2班に分け、それぞれのリーダーのもと、チームビルドを行い、互いに励まし合いながら歩きます。

スクール生達は午前8時にスタート地点にバスで到着。リーダーに地図とコンパスが手渡され、地元で活躍するガイドとともにまず第1班がスタート、その後15分遅れて第2班が山に入りました。この日は透き抜けるような青空から木漏れ日が歩道を照らす、絶好のトレッキング日和。小川のせせらぎがどこからともなく聞こえてくる山林の歩道を歩き続け、途中、ガイドの説明で植物観察や森林の特徴についても学んでいきました。

「急な坂道になるからみんな気をつけて!」「少し休憩しまあーす!」先頭を歩くリーダーの生徒からは、ところどころでメンバーに声がかけられます。遅れそうなメンバーに気づけばリーダーは歩を緩め、ペースを合わせます。分かれ道にさしかかると地図を照らし合わせ、仲間と相談しながらコースを確認。同行したプロのガイドもこのトレッキングの目的を共有し、自然観察の場面以外ではリーダーの自主性を見守る役に徹していただきました。

海の上とは異なる表情を見せるスクール生

「途中、遅い人にペースを合わせられなくなって。下級生との距離が離れてしまったり、それでいらいらしてしまったり、みんなをまとめるのは難しいです」と語るのは、後発隊のリーダーを務めた小学6年生のスクール3年目の遠山(とおやま)君。

本人としては反省点の多いリーダー役だったようですが、当校のコーチ達からは異なる評価も聞かれました。

「ところどころ声をかけながら、下級生にも気を使い、しっかりとチームリーダーを務めていた。セーリング練習以外での新しい彼の良い一面を見ることができました。2年前の初めて参加した合宿では辛そうだったのに逞しくなったものです」(当校/湯原ヘッドコーチ)

チームに気遣いながら先頭を切って山道を歩く遠山君
チームに気遣いながら先頭を切って山道を歩く遠山君

普段とは異なる環境の中で得た体験は予想以上に有意義だったようです。コーチ達は“最後まで歩くことができるか”と不安を持っていましたが、仲間同士で励ましあい、楽しみながらなんなく歩ききることができました。また、ある生徒は、ガイドの説明に目を輝かせ、野山に咲く植物に興味を持ちながら集中して歩き通すなど、それぞれに新たな一面を見ることができました。

リーダーは立派に務めを果たし、チーム員もリーダーの導きに従い、約3時間のトレッキングは豪快な苗名滝に到着して無事終了。今回の体験は生徒達にとってはもちろん、コーチングスタッフにとっても新たな発見を得る、貴重な体験となったようです。