スポーツチャレンジ賞

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YMFS SPORTS CHALLENGE AWARD SPECIAL CONTENTS

Scrum Unison(スクラムユニゾン)

橘田智緒、丸岡知恵、そして北川茉以子①

スクラムユニゾンメンバー全員が揃ったのは4月中旬、東京都渋谷区恵比寿にある小さなスタジオでだった。

前出の4人に加え、この日は映像制作を受け持つ二人の女性、橘田智緒と丸岡知恵が現場にいた。チームの活動は今後、 YouTubeあるいはツイッターといったソーシャルメディアを通じて発信してゆくことになるから、どういう映像を作り上げてゆくのかは極めて重要な意味を持つ。

橘田をスクラムユニゾンに引っ張り込んだのは、田中美里だった。

5年ほど前、田中はある番組で橘田の世話になった。スクラムユニゾンには映像のスペシャリストが必要だ、という話が出た時、田中は真っ先に彼女のことを思い出した。

写真提供:スクラムユニゾン

高校を卒業後、しばらくフリーターのような生活を続けていた橘田は、ある日NHKで目にした自主制作の短編映画をきっかに、映像制作の世界に飛び込んだ。普段の仕事は主に音楽関係、スポーツとは基本的に無縁な生活を続けてきた。

「だからもちろんラグビーのことなんかもまるで知らなくて。そこに美里ちゃんから久しぶりに連絡があって、国歌を歌うとか何とか。言われてることはぼんやりしていてよくわからなかったんですけど、何だか面白いことになりそうな予感はあったので、喜んで引き受けました」

伝手を辿って掻き集めた参加20カ国のジャージを纏い国歌を歌う映像を制作。YouTubeチャンネルに公開していった

この日の撮影はYouTubeチャンネル開設用に、イングランドやニュージーランド、計7カ国の国歌の映像を撮るものだった。

画面の中では村田と田中の二人が並び、ピアノの伴奏に合わせてそれぞれの国の国歌を歌う。画面の下方にはカタカナでルビをふった歌詞が流れ、右隅に置かれた丸い小窓の中で、(廣瀬俊朗扮する)トシツァルトがタクトをふる。そんな映像だ。

映像に関してはメンバーから様々なアイデアが出されたが、結局最後は「歌う」という目的に立ち返り、シンプルな形を採用した。橘田によれば、作品というよりはメロディと歌詞を学ぶための教材、そんな意識でのイメージ作りを心がけた。

<次のページへ続く>



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