調査研究

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2021(令和3)年度

障害者スポーツを取巻く社会的環境に関する調査研究
-障害者スポーツ選手キャリア、テレビ放送、選手認知度、ユニ★スポ体験の効果に着目して-

2021(令和3)年度活動の全体概要

本年度は2021年に開催された東京2020パラリンピックを含めた過去4大会のTV放送量の変化やパラリンピアンの認知度状況、また2019年度より実施しているトップアスリートたちのスポーツキャリアや「チャレンジ!ユニ★スポ」(障害者スポーツをユニバーサル教材として活用した体験事業)のアンケート結果より子どもたちの意識や行動の変化について掲載しています。

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各調査テーマの概要および結果

[第1章]障害者スポーツ選手のキャリア調査

内容 障害者スポーツ・トップアスリートたちのスポーツを始めるに至った経緯や活動状況をヒアリング。
結果
  • 「義肢装具士」の存在:下肢切断選手のほとんどが、スポーツ開始に影響を与えた人物として義肢装具士を挙げている。
  • 「ロールモデル」の存在:同様の障害や競技の選手と出会うことで、より具体的なスポーツキャリアをイメージできるようになると思われる。
  • 先天性障害のある選手:特に普通学校在学時の体育やスポーツ活動への参加に困難性がみられる。

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[第2章]テレビメディアによる障害者スポーツ情報発信環境調査

内容 東京2020パラリンピック大会前後での、障害者スポーツのテレビでの露出状況を調査。
結果
  • 大会別の放送時間をみると、リオデジャネイロ大会は、北京大会から約4倍増、ロンドン大会から約3倍増と急増したが、東京大会はリオデジャネイロ大会からの大きな増加はみられなかった
  • 「開催前」「開催中」「開催後」の東京大会の放送時間をみると、「開催前」は北京大会の約6倍増、「開催中」は北京大会の約4倍増、「開催後」は北京大会の約3倍増であった。一方で、東京大会の「開催後」は、急増したリオデジャネイロ大会から3分の1に減少した。

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[第3章]パラリンピアンに対する社会的認知度調査

内容 東京2020パラリンピック大会開催後のパラリンピアンに対する社会的認知度を調査。
結果
  • 最も認知度が高い選手は「国枝慎吾」(45.2%)で、ついで、「上地結衣」(22.5%)、「富田宇宙」(11.3%)、「池崎大輔」(8.7%)、「山本篤」(7.9%)であった。
  • 東京パラリンピックの観戦形態は、「テレビのニュース番組で観た」が42.9%で最も多く、ついで、「テレビで中継番組を観た」(33.0%)、「テレビの選手・競技を紹介した特集番組を観た」(11.7%)であった。

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[第4章]シンポジウム抄録集

内容 2021年12月17日に開催した「パラリンピック報道とパラリンピアンの認知度における社会発信の変化」の基調報告、パネルディスカッションの開催レポートを掲載。
結果

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[第5章]ユニ★スポ体験での児童の意識変容調査

内容 ボッチャ体験会を通して、子供たちの障害や障害者スポーツに対する意識変化を調査。
結果
  • 2020年度の児童を対象とした3回(開催前、開催後、3か月後)の調査では、2019年度の調査同様に一連の学習内容が、児童の障害イメージをポジティブな方向に変容させることが示された。
  • 2019年度の児童を対象とした1年後の追跡調査(4回目)では、1年後も児童の障害イメージやアダプテッドへの意識が定着することが示唆された。一方で、用具不足や予算の問題が継続に対する阻害要因となっており、日常的に実施できる環境ではないことが示された。

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報告書に関するコメント
藤田 紀昭氏

藤田 紀昭
(日本福祉大学 スポーツ科学部 教授/当財団障害者スポーツ・プロジェクト リーダー)

パラリンピックに関わるデータを蓄積してきた本プロジェクト。今年は東京2020パラリンピックの影響を調査分析。障害者がスポーツを始めるためには情報の入手とスポーツの場へのファーストアクセスが重要(第1章)。東京2020パラリンピックのテレビ報道時間は大会期間中大幅増も大会終了後はリオと比較すると激減(第2章)。パラリンピアンの認知度は上昇(第3章)。パラリンピアン(報道される側)、元NHKレポーターなどメディア関係者(報道する側)そして研究者が熱いディスカッションを展開(第4章)。障害者スポーツ体験で子どもは変わる(第5章)などを興味あるデータを掲載しています。是非ご一読いただき、ご意見、ご批判お寄せください。


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はじめに・目次・障害者スポーツ プロジェクト ダウンロード
[第1章]障害者スポーツ選手のキャリア調査障害者スポーツ・トップアスリートたちのスポーツを始めるに至った経緯や活動状況をヒアリング。 ダウンロード
[第2章]テレビメディアによる障害者スポーツ情報発信環境調査東京2020パラリンピック大会前後での、障害者スポーツのテレビでの露出状況を調査。 ダウンロード
[第3章]パラリンピアンに対する社会的認知度調査東京2020パラリンピック大会開催後のパラリンピアンに対する社会的認知度を調査。 ダウンロード
[第4章]シンポジウム抄録集「パラリンピック報道とパラリンピアンの認知度における社会発信の変化」開催レポート。 ダウンロード
[第5章]ユニ★スポ体験での児童の意識変容調査ボッチャ体験会を通して、子供たちの障害や障害者スポーツに対する意識変化を調査。 ダウンロード
付録・調査表・集計表 ダウンロード

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