第4回 YMFSスポーツ・チャレンジ・ウィーク

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大阪会場(4月3,4日)

平成22年度 YMFSスポーツチャレンジ助成 エリア別活動報告会

日時 2011年4月3日(日) 13:00〜/4日(月) 13:00〜
場所 ラフォーレ新大阪(大阪市淀川区)
平成22年度 YMFSスポーツチャレンジ助成 エリア別活動報告会:大阪会場平成22年度 YMFSスポーツチャレンジ助成 エリア別活動報告会:大阪会場

エリア別活動報告会の第3弾・大阪会場は2日間に分けて開催、西日本エリアのチャレンジャーに出席いただきました。

大阪会場の成果発表/修了証授与に臨んだチャレンジャーは計18人。初日は第4期生チャレンジャー7人(研究5人、奨学生2人)と、これに助成金贈呈書授与を経た第5期生チャレンシャー5人(研究)が加わりました。2日目は第4期生チャレンジャー3人(奨学生2人、体験1人)と第5期生チャレンジャー3人(体験、研究、奨学生各1人)が参加。第4期生の成果発表時には第5期生からの活発な質問が寄せられるなど、参加者の熱意が伝わる二日間となりました。


第5期生助成金(奨学金)贈呈書授与
体験
  • 我孫子智美:陸上(棒高跳び)/競技者
研究
  • 左右田あみ:保健体育教育がおよぼす子供たちへの影響と役割
  • 宮本忠吉:運動時の呼吸循環系を制御する高次脳機能メカニズムの総合的理解
  • 山浦一保:アスリートのキャリア発達上における危機的経験からの飛躍に関する研究
  • 吉村英一:急速減量・急速回復時のエネルギー代謝と体組織の変化に着目した研究
  • 家光素行:性ステロイドホルモンの増大が生活習慣病を改善させるか?
  • 秋間広:股間接屈曲による大腿直筋の筋収縮は中間広筋の筋活動を引き起こすか?
奨学生
  • 呂路:中国における大学運動選手の社会的スキルとスポーツ経験の影響

第5期生の助成金(奨学金)交付書授与では、YMFS岸川善次郎事務局長より合計8人のチャレンジャーに交付書が手渡されました。この中で、走り高跳びでロンドン五輪を目指す我孫子さんは、「新たなポールを使いこなして五輪出場と入賞を目指します」と熱意を表明。研究チャレンジャーからは「体育教育の子どもたちへの影響」「運動時の呼吸循環系の制御」「急速減量と回復時のエネルギー代謝」など興味深く多岐にわたる研究テーマの紹介と抱負が語られ、YMFSチャレンジャーの一員としての第一歩を踏み出しました。

第5期生助成金(奨学金)贈呈書授与(右・研究・5期生 吉村英一さん、岸川事務局長)第5期生助成金(奨学金)贈呈書授与(右・体験・5期生 我孫子智美さん、岸川事務局長)第5期生助成金(奨学金)贈呈書授与(外国人留学生・5期生 呂路さん)

第4期生成果発表/修了証授与
体験
  • 好川菜々:ボクシング/競技者
  • THE RIVER FACE:レースラフティング/競技者(代表・阿部雅代/第2期生)
研究
  • 木村哲也:持久的運動時の心拍リズムと筋収縮リズムの同期化現象に関する生理学的意義の解明
  • 後藤一成:高脂肪食摂取と睡眠時間の短縮がメタボリックシンドローム関連因子に及ぼす影響
  • 島本好平:アスリート用ライフスキル 評価尺度の開発とその影響要因の横断的・縦断的検討
  • 橋本健志:細胞組織を鍛える因子の探索
  • 藤田聡:骨格筋肥大に関わるシグナル因子の特定
奨学生
  • 辻本香子(第3期生):現代都市における感覚と身体によるコミュニケーションの民族誌
  • 黄忠(第3期生):一流競泳選手における推進効率の定量化、および泳技術特性の解明
  • 高永壹(第3期生):韓国におけるスポーツ振興政策について

初日は、研究チャレンジャーによる「細胞組織」「骨格筋」「持久的運動」などスポーツトレーニングに密接なテーマを中心に、研究報告が行われました。ここでは、それぞれに関連あるテーマを設定した第5期生チャレンジャーの方々から質問が寄せられ、スポーツ科学研究の今後の方向や可能性について議論が展開されました。

2日目の発表では、体験チャレンジャーの好川さんが試合結果やチャレンジのプロセスを発表。また昨年の米国トレーニング合宿では「ボクサー・オブ・マンス」に選出されたことを報告し、エールを受けました。一方、レースラフティングのチーム「THE RIVER FACE」代表の阿部さんからは世界大会優勝の報告や組み立て、チーム編成に関わる課題や解決方法、今後の抱負などが力強く報告されました。発表を終えた4期生の皆さんには、浅見俊雄審査委員長から修了証が授与されました。

第4期生成果発表/修了証授与(右・体験・3,4期生 好川菜々選手、浅見審査委員長)第4期生成果発表/修了証授与第4期生成果発表/修了証授与(研究・5期生 左右田あみさん)

発表者一覧
スポーツチャレンジ体験助成
助成期 テーマ 氏名・団体名
第4期生 ロンドンオリンピックに向けて 好川 菜々
第2期生 2012年、R4世界大会で全種目表彰台に上がり、総合優勝連覇を目指して THE RIVER FACE
スポーツチャレンジ研究助成
助成期 テーマ 氏名・団体名
第4期生 細胞組織を鍛える因子の探索 橋本 健志
国際スポーツ奨学金
助成期 テーマ 氏名・団体名
第3期生 一流競泳選手における推進効率の定量化、および泳技術特性の解明 黄 忠
第3期生 現代都市における感覚と身体によるコミュニケーションの民族誌 辻本 香子
第3期生 韓国におけるスポーツ振興政策について 高 永壹

座談会

初日の座談会では、浅見審査委員長による「スポーツ科学は、一般の方々に如何に分かりやすく説明できるかが大切」というアドバイスをもとに議論が進められました。活発な意見交換にやがて話題は「自然科学系と人文科学系の方々が相互に同じ言語で情報交換することの重要性」「基礎研究と応用研究の関連性の大切さ」「研究結果を生活やスポーツに活かすことの難しさ」へと広がり、最後は「研究者やスポーツする方々が横の広がりを作れるのがスポーツ科学。ただ今は新聞、ネットまで情報が多岐にわたり共有言語も少ないかもしれません。だから、たとえば仲間同士で月に一度同じ雑誌媒体を読み、それを共有するも良い方法。研究者とスポーツする方の距離を短くしていきましょう。“Creating a Future Beyond Borders”」と伊坂忠夫先生に締めくくっていただきました。

2日目も浅見審査委員長に進行していただき、多くの意見や経験談が話されました。参加者の国籍も日・中・韓となったこの日は、海外、即ち自国外で体験する試合や研究を進めるとき、それを円滑に行うためのポイントを意見交換。「食事の摂取方法や工夫」「コミュニケーション手段としての語学の重要性」「遠征国の文化情報などの事前収集の重要性」などのテーマを中心に議論が行なわれました。それと関連し、留学生からは「日本を留学先に選んだ理由と期待」など忌憚ない話が聞かれました。

座談会座談会(右・体験・3,4期生 好川菜々選手、左・体験・2期生 RiverFace 阿部さん)座談会(研究・4期生 島本好平さん)