スポーツチャレンジ賞

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YMFS SPORTS CHALLENGE AWARD SPECIAL CONTENTS

HIDENOBU KOBAI × AKIRA KUROIWA
【対談】紅楳英信×黒岩 彰

平昌オリンピックで大きな躍進を遂げた日本のスピードスケート。ソチオリンピックからわずか4年、その躍進を、日本スケート連盟スピードスケート科学サポートチームのチーム統括として、科学的な見地から支えた紅楳英信。そして、同連盟スピードスケート強化部副部長として、選手強化の現場に立ってきたカルガリーオリンピック銅メダリストの黒岩彰。お二人に、競技活動における科学のあり方と今後の展望について語ってもらった。

YMFS現在日本スケート連盟でスピードスケート強化部副部長を務めていらっしゃる黒岩さんですが、今回の科学サポートチームの受賞について、感想を教えていただけますか?

黒岩まず、紅楳さんをはじめとする受賞者8名の方々に、改めて、おめでとうございます、と伝えないといけないですね。大げさではなく、これ以上嬉しいことはない、それくらい今回の受賞のことを僕自身も喜んでいます。

紅楳ありがとうございます。黒岩さんに面と向かって言われると、なんだか照れますけど。
2009年でしたか、黒岩さんがスケートの世界に戻られてきたとき、僕はまだ駆け出しの若者に過ぎなかったのですが、初対面の僕にも丁寧な言葉遣いで話しかけていただいたことを、今でもよく覚えています。

黒岩今回、紅楳さんたちの受賞を一番喜んでくれたのは、もしかすると日本ナショナルチームヘッドコーチのヨハン・デビットかもしれません。授賞式のすぐ後、僕は式の様子と写真を彼に送ったんです。ヨハンはオランダにいたんですが、すぐに返事が来ましたよ。素晴らしい!彼らは本当に表彰されるに値する人たちだからね!って。

紅楳ヨハンや黒岩さんにそう思ってもらえているなら、それは素直に嬉しいことですね。基本的には、選手がメダルを獲得するために僕たちも活動をしているわけですから、貢献したという評価をいただくのはありがたいことです。例え僕たちがやったことの効果が全体の0.1%であろうが、メダル獲得という結果は出たわけですから。そこに対する喜びは変わりません。ただその一方で、出た結果に満足することなく、さらに上を目指して作業を続けていかなければいけない、ということはいつも意識しています。例え評価してくれる人がいなくても、いちいち落ち込むことなく、ただひたすら目の前の作業に打ち込んでいる、それが本来あるべき姿ですよね。

黒岩我々の仕事は、結果が出なければ「もう要らないよ」と言われるだけですからね。

<次のページへ続く>



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