調査研究

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2020(令和2)年度

トップスポーツ組織の地域振興活動に関する調査
-自治体(200市区町)からみたトップスポーツチームの社会連携活動-

報告書の概要

トップスポーツチーム(日本トップスポーツ連携機構加盟チーム)及びNPBの球団が活動拠点(ホームタウン等)を有する自治体に対し、トップスポーツチームに対する意識や、チームの地域活動が自地域にもたらす影響、今後の要望等を明らかにするために実施。

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調査内容

自治体とトップスポーツ組織との連携の状況、および自治体から見たチームの地域活動に関する意識について、共通指標で比較可能なデータとして収集。

調査手法

質問紙を用いた郵送調査


対象地域

トップスポーツチーム(日本トップスポーツ連携機構加盟チーム)及びNPBの球団が活動拠点を有する自治体 290自治体

サンプル数

200自治体(回答率68.9%)・278チーム分回答
※自地域内に複数チームがある場合はそれぞれ回答


実査期間

2019年2月〜3月

成果

  • スポーツ組織が行う「社会連携活動」を自治体側がどのように受け止めているのかについて、横断的に同一指標にて測定し調査結果をまとめる。
  • 自治体の意識が明確になり、今後の取り組みの施策立案に役立つデータベースを作成する。

期待されるベネフィット

  • 自治体:全国レベルでの自治体の意識や活動の状態を掴むことで、スポーツ組織との連携によるスポーツ振興や地域活性化の立案に有用
  • トップスポーツ組織:自治体側のチームに対する期待や活動への重要度が見えてくることで、地域との連携施策の立案に有用。

自治体とトップスポーツ組織との連携

内容 トップスポーツ組織(チーム等)がある自治体を対象に、「自治体とトップスポーツ組織(チーム等)との連携」(スポーツ振興計画、ベンチマーク、スポーツツーリズムなど)について調査。
結果
スポーツ振興計画(ビジョンなど)について
  • 自治体とトップスポーツ組織間において、約半分の自治体があると回答。
参考としている自治体やチーム
  • 参考としている自治体やチームがあるのは共に約10%であった。
スポーツツーリズムについて
  • 約1/3(34.5%)の自治体が実施している。

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自治体から見た、チームの地域活動に関する意識

内容 トップスポーツ組織(チーム等)が地域(ホームタウン)で実施する各種の地域活動について、それぞれに対する意識を①満足度、②重視度、③今後の期待に分けて調査、分析。
結果
最も認知が高かった主な地域活動(5項目より)は。
  • 「チームが取り組む種目の貴自治体での活用」であった。(87.2%)
満足度、重視度、期待度の高かった具体的な活動(24項目より)は。
  • 「地元の小学校や中学校への訪問活動」、「地元の祭り・イベントへの出展参加」が、他の活動よりも高い傾向となった。

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自治体の意識とトップスポーツ組織の特徴・活動との関連性

内容 第1、2章の調査データと、2018年度に当財団で実施したトップスポーツ組織(チーム等)が地域(ホームタウン)で実施する地域活動についての調査データとを突き合わせて関連性を分析。
結果
主な地域活動(5項目)に関して、重視度・期待度と満足度との関係について。
  • 「チームが取り組む種目の貴自治体での活用」、「チームから貴自治体への人的・物的支援」が「高重視×高満足」「高期待×高満足」に該当。
詳細な地域活動(24項目)に関して、重視度・期待度と満足度との関係について。
  • 「地元の小学校や中学校への訪問活動」、「県庁、市役所、区役所への訪問」、「いじめ防止等社会啓発活動、キャンペーンへの協力、投票・納税の呼びかけ」、「地元の祭り・イベントへの出展・参加」など多くの項目は『高重視×高満足』『高期待×高満足』となった。

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報告書に関するコメント

岡本 純也
(一橋大学大学院 経営管理研究科 准教授/当財団トップスポーツ・プロジェクトリーダー)

2015年より開始した本プロジェクトは、「スポーツ振興・普及と地域振興の未来像」を探ることを目的に、さまざまな運営形態で成立しているわが国のトップレベルのスポーツ組織(チーム、クラブ等)を「トップスポーツ」という包括的な概念でとらえ、その運営施策、地域自治体等との関係のあり方について調査を実施してきた。

2018年度の調査においては、一般社団法人 日本トップリーグ連携機構の協力をいただき、同機構に加盟する各リーグ所属の全国各地のトップスポーツ組織(プロ・実業団・大学)を対象に、異なる背景や事業目的を有するこれらの組織の「地域振興活動」(社会連携活動)への取組みを、共通指標で比較可能なデータとして収集した(詳細は、次スライドを参照)。これらのデータは、①スポーツ組織におけるファン・スポンサー獲得・競技人口増など地域スポーツ振興や事業の安定拡大等の施策立案や、②現在、スポーツ組織を域内に有する自治体や未来においてスポーツ組織と連携することを考えている自治体が、地域振興や地域のスポーツ振興をスポーツ組織と連携して実施しようとする際の政策立案に資するものと考えている。

2018年度調査がスポーツ組織側の取り組みに着目したのに対して、2020年度に実施した本調査(『2020年度トップスポーツ組織の地域振興活動に関する調査-ホームタウン(200市区町)からみたトップチームの社会連携活動-』)においては、スポーツ組織の取り組み(社会連携活動)に対する自治体の「重視度」、「満足度」、「期待度」を聞いた。ホームタウンとなっている200市区町から回答を得ることができ、満足度の高い活動、重視している活動、期待が高い活動などが明らかになった。

今回の調査もスポーツ組織の具体的な普及・振興施策の立案、自治体のスポーツ振興・地域振興施策の立案に対して貢献することを目的に実施したが、2018年度の調査データと合わせて参照していただくことによって、現在の施策・政策や今後の施策・政策案を多面的にとらえることが可能となるだろう。


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報告書全文 ダウンロード
表紙、はじめに、目次 ダウンロード
報告書概要調査の概要、 主な調査内容、調査手法、対象地域、サンプル数、実施期間等 ダウンロード
報告書サマリー第1〜3章の報告から抜粋して記載 ダウンロード
[第1章]自治体とトップスポーツ組織との連携「自治体とトップスポーツ組織との連携(スポーツ振興計画、ベンチマーク、スポーツツーリズムなど)」について報告 ダウンロード
[第2章]自治体から見た、チームの地域活動に関する意識トップスポーツ組織が実施する各種の地域活動について、①満足度、②重視度、③今後の期待に分けて調査、分析 ダウンロード
[第3章]自治体の意識とトップスポーツ組織の特徴・活動との関連性第1、2章の調査データと、2018年度に実施した調査データとを突き合わせて分析した結果を報告。 ダウンロード
あとがき ダウンロード
参考資料1自治体から見たチームの地域活動に関する意識調査(質問項目別) ダウンロード
参考資料2自治体から見たチームの地域活動に関する意識調査(リーグ別) ダウンロード
報告書作成スタッフYMFSトップスポーツ・プロジェクト・メンバー一覧(2021年3月時点) ダウンロード

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