年度別チャレンジャー一覧

助成対象者のチャレンジ概要
片岡 正教
氏名
片岡 正教(かたおかまさたか)
助成実績
スポーツチャレンジ研究助成(基本):第13期生
ボッチャ選手の競技パフォーマンス向上のためのトレーニング用モジュールボールの開発

ボッチャは重度障がい者を対象にしたパラリンピック競技で、目標球に自身のボールを近づけるターゲットスポーツである。しかしながら、これまでの研究で、競技パフォーマンス向上のためには投球精度だけでなく、遠投距離が重要であることが明らかとなっている。本研究では、選手の遠投能力を向上させるため、自身で重量が調整可能なトレーニングボールを開発し、その効果を検証することを目的とする。

成果報告(2020年3月)

ボールの改造・製作における製作業者の協力が得られにくい時期にあったこと、環境設定等の問題もあり、当初予定していた通りの計画では進まなかったこともあり、中長期的な介入効果ではなく、即時的な介入効果をまずは確認することにした。他のスポーツ分野の先行研究から、軽量化されたボールの方がより効果的であることを予想していたが、選手の障がいの程度やタイプによっては必ずしもそうではなく、パフォーマンスの一指標である投球距離に大きな変化は生じないものの、ボールリリースがスムーズになる等、競技パフォーマンスにおける他のポイントで重量化したボールも効果的である可能性が示唆された。この可能性を見いだせたことについては大きな発見であったと考えている。今後、今回の助成事業で得られた結果を参考に、即時的・長期的な介入効果について、さらにボールの重量も変化させながら検証し、研究の精度を高めて、選手の競技パフォーマンス向上のためのツールを製作するためのデータとして活用していきたい。計画していた結果が得られなかったこと、助成事業として上手く遂行できなかったことは悔やまれるが、さらに研究を発展させるための非常に重要な一歩になったと感じている。