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ハンドボールの未来のために、欧州武者修行


銘苅 淳

氏名 銘苅 淳
競技名 ハンドボール/選手

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ハンドボールの未来のために、欧州武者修行
~「憧れ」という感情が持つ成長のための無限のパワー~

「憧れ」という感情は、未来を切り拓く力づよいエンジンだ。ただし、その感情が持つ力を未来のために発現させようとするなら、憧れの対象を自分自身の将来像に投影できるだけのたくましい想像力が必要だろう。スーパースターの活躍に心を躍らせながら、そのフィールドに立つ何年後かの自分の姿を鮮明にイメージする――。そうした点で、筑波大学ハンドボール部の銘苅淳さんは恐るべき想像力の持ち主と言えるかもしれない。

「いつか世界中の体育館に“メカール!”という子供たちの叫び声が響く、僕はそんなプレーヤーになりたいんです」。もともと姿勢の良い上体をさらに反らせて、きっぱりとこう言い切った。

“世界最高の司令塔”と呼ばれるイヴァノ・バリッチ選手(クロアチア)が、銘苅さんのアイドルだ。彼に憧れを抱くヨーロッパのハンドボール少年たちが、「バリッチ!」と叫びながらシュートを撃つという話を聞いた銘苅さんは、自分の“なりたい姿”をそこに見つけた。単なるトップクラスの選手をめざすのではなく、子供たちに対して影響力を持つ存在になりたいと自分の未来を定義したのだ。

筑波大学への進学が決まった頃、恩師から贈られた一冊の本に触発されて100個の夢を書き出してみた。そのリストを上から順に追っていくと、「日本代表としてオリンピックに出場する」という目標の他に、「指導者としてもハンドボールにかかわり続ける」「教え子と一緒に酒を飲む」といった一文を見つけることができる。

銘苅さんが描く未来、それは野球やサッカーといった人気スポーツがそうであるように、全国津々浦々でハンドボールを楽しむ子供たちの姿が日常的に見られるようになることだ。そして彼らは「メカール!」と叫びながらシュートを撃つ――。

現役選手でありながら、各種の技術講習会などで指導の現場経験を積む銘苅さんは、いま、自主編集のハンドボールDVDを制作しようとしている。「一流選手の魔法のようなプレーを見て、小さな子供たちにも“ハンドボールってすごい!”“かっこいい!”と思ってもらいたい。それが僕の夢の第一歩だと考えています」。

指導用のDVDの主体を技術解説ではなく、スター選手の華麗なプレーで構成しようと考えるのは、銘苅さん自身が「憧れ」という感情が持つ無限のパワーを実感しているからだろう。だからこそ、「教える自分自身がまず憧れの対象にならないと」とも考える。

筑波大学ハンドボール部の中心選手として活躍しながら、来春にはヨーロッパ各国のクラブチームを視察する計画も立てている。ハンドボールを取り巻く人々、施設や歴史、そうしたすべてを吸収してくる決意だ。「自分自身の未来のため、それから日本ハンドボール界の繁栄のために、精一杯チャレンジします!」。スポ根漫画から抜け出したようなさわやかな笑顔を浮かべながら、その主人公のように情熱いっぱいに宣言した。