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公式戦の貴重な経験を糧に成長


中京女子大学 硬式野球部/代表者:吉田 哲哉

氏名 中京女子大学 硬式野球部/代表者:吉田 哲哉
競技名 硬式野球/選手(チーム)

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公式戦の貴重な経験を糧に成長
~走力と粘りの全員野球で守り勝つ!~

創部3年目。愛知大学野球リーグ5部に所属する中京女子大学硬式野球部は、10月14日、秋季リーグ最終戦で人間環境大学と対戦。3番・山口沙織捕手のタイムリーヒットなどで2得点を挙げ、伊藤有加投手も200球を超える熱投を見せたが、19対2のスコアで敗れ、待望の“1勝”は再び来季に持ち越しとなった。

初めてリーグ戦に公式参加した2006年秋からここまで、3シーズンの通算成績は24戦0勝24敗、得点18に対して失点630。この数字だけを見れば、初勝利への道のりはまだ遠く険しいと言わざるを得ないが、樋口一則監督は真剣勝負の公式戦一戦ごとに貴重な経験を積み上げ、成長していく選手たちの姿に確かな手応えを感じている。

「私がチームを引き継いだ昨年は2年生が最上級生。それなりのレベルに達している選手も少なく、まずバットとボールに馴れさせることからのスタートでした。そのため試合では、何点取られようがなりふり構わず、とにかく9回まで戦い抜くことを最優先。思いきりバットを振り、走り、ひとつずつアウトを取ることに集中させました。しかし今年はそれが糧となり、少しずつ成果として表われてきたんです」

エラーして次にどうすればいいのかわからず、オロオロするばかり。失点しても、試合に負けても、なぜそうなったのか、どうすべきだったのかさえ理解できなかった選手たちが、経験を積むことでだんだん試合の流れが読めるようになり、これまで見えなかったものが見えてきたのだ。

「野球がわかるようになってきたということですね。それによって、ひとつの失敗から多くを学び、対処の仕方や練習方法を自分で考え、負けたくやしさがバネになる。この先はもっと急速に伸びていくでしょう」

その成長の一端は、最終戦の戦いぶりにも表われている。例えば、主力選手の相次ぐ故障で代役を務めた1年生たちの溌剌としたプレー、不調を自力で克服した伊藤投手の粘り強い投球などがそうである。なかでも、選手層の薄さをカバーするため外野手、内野手までこなしたことで投球フォームがバラバラになって苦しんでいた主戦投手の復調は、樋口監督を大いに喜ばせた。

「立ち上がりはボールがすべてお辞儀して、目をつぶりたくなるような状態。今日はコイツと心中だなと覚悟したんです。ところがその後、失点しても自分なりに試行錯誤しながら粘り強く投げ抜き、どんどん内容がよくなっていった。最終回をあっさり三者凡退に抑えた時は、涙が出そうになるくらいうれしかったですね」

しかし、現在の3年生が最終学年となる2008年、春と秋のリーグ戦はまさに正念場だ。「負けたままでは終れません!」と語気を強める深澤美和キャプテンは、本気で「1勝」を取りにいくために、必ず勝つという気持ちを全員が強く持つことが必要だと話す。

「あと1本、あと一歩をあきらめない粘りと集中力ですね。そして守り勝つ野球。力では男子に対抗できませんし、コツコツ攻めて、打たせて取るしかないと思うんです」

だが、技術的にはまだ課題が山積み。春季リーグ開幕までの半年間、樋口監督はどのような強化をはかろうとしているのだろうか。

「あえてポイントをひとつ挙げるなら、走力、スピードアップです。ひとつでも出塁を増やし、さらに先の塁を狙う攻撃と、際どい打球に追い付く守備を身に付けること。世の中には、男より足の速い女の子がたくさんいますからね」

女子は男子より一途で、思い込んだら迷わず突き進む強さがある。他チームがのんびりオフを過すようなら、カメがウサギを追い越す場面が案外早く見られるかもしれない。