symposium-title

symposium-day

障害者スポーツに対する社会的関心が高まる中、次世代の選手発掘・育成が重要課題のひとつとして明らかになりつつあります。本シンポジウムでは、上記テーマに向けた取り組み、方策について共に考えていきましょう。


事前申し込みの受付は終了しました。たくさんのお申し込み、ありがとうございました。


開催趣旨

本シンポジウムは、公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団が平成24年度から取り組んでいる「障害者スポーツを取り巻く環境調査」結果報告の一環として実施するものです。

今回は平成27年度に取り組んだ「2015ジャパンパラ(水泳・陸上)競技大会」の出場選手に対する障害者スポーツ選手キャリア形成や競技練習活動環境に関する調査結果を踏まえ、課題解決や環境改善の一助となることを目指し、国内外で活躍中の現役選手、指導者、組織関係者など、現場の方々をパネリストにお招きして、シンポジウム参加者の皆様と共に考えていきます。


開催概要

開催日時2016年11月5日(土) 13:00〜16:30(受付:12:30〜13:00/懇談会:15:45〜16:30)
会場御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター ソラシティホールEAST
(東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ)
対象障害者スポーツに関心のある方はどなたでも参加できます。(参加無料)
定員100名
募集期間9月16日(金)〜10月31日(月)  ※申し込み受付は終了しました
申込方法
  • ホームページから
    申し込みフォームにて必要事項をご記入ください。
  • FAXの場合
    当ページより参加申し込み用紙をダウンロードし、必要事項を記入の上、FAXでお送りください。 0538-32-1112
主催公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団
後援
(順不同)
スポーツ庁、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 日本パラリンピック委員会、
公益財団法人日本体育協会、公益財団法人日本オリンピック委員会、
公益財団法人笹川スポーツ財団、公益社団法人東京都障害者スポーツ協会

プログラム (敬称略)

12:30〜13:00
受付
13:00〜13:10
開会挨拶
浅見 俊雄東京大学・日本体育大学 名誉教授/当財団理事
13:10〜13:45
調査結果および課題報告
報告者
藤田 紀昭日本福祉大学 教授/当財団調査研究 障害者スポーツ・プロジェクトリーダー
13:45〜15:25
パネルディスカッション「選手発掘・育成の現場からの声」
コーディネーター
齊藤 まゆみ筑波大学体育系 准教授/当財団調査研究 障害者スポーツ・プロジェクトメンバー
パネリスト(順不同)
一ノ瀬 メイ水泳競技選手/近畿大学水上競技部/リオ2016パラリンピック日本代表
辻 沙絵陸上競技選手/日本体育大学陸上競技部パラアスリートブロック/リオ2016パラリンピック日本代表
村上 光輝(一社)日本ボッチャ協会強化指導部長/リオ2016パラリンピックボッチャ競技ヘッドコーチ
三井 利仁(一社)日本パラ陸上競技連盟理事長/国際パラリンピック委員会陸上競技国際技術委員
15:30
シンポジウム閉会
15:45〜16:30
懇談会

アクセス

 

大きな地図を表示

  • 東京メトロ「新御茶ノ水」駅(千代田線 聖橋方面 B2出口直結)
  • JR「御茶ノ水」駅(JR中央線・総武線 聖橋口から徒歩1分)
会場
御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター
ソラシティホールEAST
住所
〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台4-6
御茶ノ水ソラシティ
電話番号
03-6206-4855
ホームページ
http://solacity.jp/cc/
アクセスマップ(PDF)を表示

申し込み

ホームページから申し込む場合
申し込みフォームにて必要事項をご記入ください。
FAXで申し込む場合
下記申し込み用紙をダウンロードし、必要事項を記入のFAXでお送りください。氏名、連絡先などは、正確にはっきりとご記入ください。 0538-32-1112

事前申し込みの受付は終了しました。たくさんのお申し込み、ありがとうございました。

レポート

2016年11月5日

ヤマハ発動機スポーツ振興財団シンポジウム2016「障害者スポーツ選手発掘・育成システムのモデル構築に向けて」を開催しました

ヤマハ発動機スポーツ振興財団シンポジウム2016「障害者スポーツ選手発掘・育成システムのモデル構築に向けて」を開催しました

ヤマハ発動機スポーツ振興財団は、11月5日(土)、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都)にて、公開シンポジウム「障害者スポーツ選手発掘・育成システムのモデル構築に向けて」を開催しました。本シンポジウムは、当財団が平成24年度から取り組んでいる「障害者スポーツを取り巻く環境調査」の一環として実施したものです。

障害者スポーツの選手強化に関するシンポジウムは、一昨年12月に兵庫と東京の2会場で開催した「日本のパラリンピック選手強化の現状と課題」、そして昨年7月に東京で開催した「パラリンピック選手発掘・育成・強化システムの現状と今後の方向性について」に続いて4回目。障害者スポーツに対する社会的関心が高まる中、今回のシンポジウムでは重要課題のひとつである次世代の選手発掘・育成について、スポーツ関係団体や大学などから集まった約100名の参加者と、ともに考え、意見の交換を行いました。

当日は浅見俊雄理事の開会挨拶に続き、当財団スポーツ文化・啓発事業 調査研究の障害者スポーツプロジェクトを代表して藤田紀昭プロジェクトリーダーが平成27年度調査研究の結果を報告したほか、水泳の一ノ瀬メイ選手と陸上の辻沙絵選手がそれぞれアスリートの立場から、日本ボッチャ協会強化指導部長であり日本代表ヘッドコーチでもある村上光輝氏が指導者の立場から、日本パラ陸上競技連盟理事長の三井利仁氏が競技団体の立場から、それぞれの現状や抱えている課題の報告を行いました。また、同プロジェクトメンバーの一人である齊藤まゆみ氏がコーディネーターを務めたパネルディスカッションでは、来場者も含めて幅広い議論と活発な意見交換が行われました。

なお、シンポジウムの閉会後には、パネリストの皆さんを囲んで懇談会を実施。なごやかな雰囲気の中で競技種目や立場を超えての交流が図られました。






平成27年度調査結果および課題報告

藤田 紀昭氏(日本福祉大学 全学教育センター 教授/当財団 障害者スポーツ・プロジェクトリーダー)

平成24年度から障害者スポーツ選手を取り巻く環境について継続的に調査・研究を重ねてきた。その中で平成27年度は、障害のある選手の競技生活実態を明らかにすると同時に、どのようにしてスポーツを実施するようになったか? を明らかにするため、陸上競技と水泳の2015ジャパンパラ競技大会出場者218人を対象に調査を実施した。今回の調査によって、たとえば先天的障害者は学校関係者や家族の影響を受けてスポーツを始めることが多く、後天的障害者はコメディカルやスポーツ関係者の影響を受けていることなどがわかった。こうした現状を踏まえると、選手発掘のためには学校関係者や理学療法士などが障害者スポーツの情報を知っていることが重要であると考えられる。そのような環境を作るためには、体育教員を志す者に障害者スポーツの関連授業を必修科目としたり、理学療法士会や作業療法士会と、各地の障害者スポーツ協会の連携をなお一層深めていくことが必要と考えられる。今回の調査結果をもとに、我々もこうした提言を行っていきたい。

※コメディカルとは、医師・看護師以外の医療従事者を指す言葉です。


パネルディスカッション

一ノ瀬 メイ氏(水泳競技選手/近畿大学水上競技部/リオ2016パラリンピック日本代表)

競泳選手にとって、小さい頃に専門的な環境に身を置いて、どれだけ泳ぎ込むことができるかというのは非常に大切な要素。私は小学生の頃、クラスで一番速く泳ぐ力があっても、障害を理由に地域のスイミングクラブに入会することができなかった。このように障害者がアスリートになるためにはさまざまなハードルがある。これによって、健常の選手と較べるとアスリートコースに入るのに5年遅れてしまったという残念な気持ちがある。現在は近畿大学の40人いる部員の一人として練習しているが、障害者スポーツに関する専門的な知識を持ったコーチにマンツーマンで見てもらえるという環境ではない。コーチにまずは障害者スポーツを知ってもらい、パラリンピックにも来ていただいて、少しずつ理解を深めてもらっている段階。健常の部員と一緒のトレーニングや指導は、私に当てはまることもあれば、そうでないこともある。でも、チームに所属して、チームに誇りを持ち、応援して、応援されというのは素晴らしいことで、私の心の支えの一つにもなっている。


辻 沙絵氏(陸上競技選手/日本体育大学陸上競技部パラアスリートブロック/リオ2016パラリンピック日本代表)

私は、小学校5年生からずっと健常者とともにハンドボールをしてきた。大学に入って測定を受け、瞬発力の高さから陸上への転向を勧められた時も、なぜハンドボールから離れなければならないのかという思いのほうが強かった。気持ちが切り替わったのは、6位に入った世界選手権で、走幅跳びの山本篤選手が金メダルを獲得した光景を見たことだった。国歌が流れ、国旗が掲揚される中で山本選手の晴れがましい表情を見て、私もあの場所からの風景を見てみたいと覚悟を決めた。私の場合、現在、最高の練習環境や指導者に囲まれているという感謝の気持ちを持っている。来春、大学を卒業するが、トレーニングはこれまでどおり日体大で、また引き続き現在の監督の指導を受けたいと考えている。4年後に向けては、まだまだ少ない女性のコーチやスタッフを増やしていただけるようお願いしたい。


村上 光輝氏(一般社団法人日本ボッチャ協会 強化指導部長/リオ2016パラリンピック ボッチャ競技ヘッドコーチ)

リオパラリンピックで銀メダルを獲得し、こうして皆さんの前でお話しさせていただくことが増えた。しかし、本日のテーマである「発掘・育成・強化」という視点では、必ずしも成功はしていない。もちろん我々も、日本選手権出場者を対象とした育成活動や、一般公募による代表選考合宿などさまざまな取り組みを行ってきた。しかし、そうした育成対象選手がパラリンピック代表を逃し、個人で強化を図ってきた選手が出場権をつかむケースも現実にはあった。他国では新戦力がいきなりメダルを獲得している一方で、日本は若手選手の強化に失敗したと言わざるを得ない。ボッチャの場合、陸上やサッカーのように一般の競技で培われたロールモデルが存在しないことも難しさの一因。ボッチャは障害者スポーツとして捉えられているが、じつは誰でも楽しめるスポーツとしての普及や、一般の方が参加できる大会の開催がパラ代表の強化にもつながるのではないかと考えている。


三井 利仁氏(一般社団法人日本パラ陸上競技連盟 理事長/国際パラリンピック委員会 陸上競技国際技術委員)

ロンドン大会、リオ大会と、日本パラ陸上界は2大会連続で金メダルを獲得できていない。その一方で、入賞者は毎回増えているし、若い育成選手も増えている。そうした中で世界の情勢を見ると、強豪国と呼ばれる国のほかに、我々のリサーチが及ばない国がメダルを獲得した。私はバルセロナ大会から指導を行っているが、選手・スタッフ自身が生活のすべてを競技のために向けていく覚悟を持たなくては結果に結びつけるのは難しいと考えている。重要なのは、選手にそう思わせる指導者と出会うことができるかということ。現在、公的な資金を投入して、一貫した教育プログラムによって指導者を育て、指導者資格を発行していくような取り組みを進めている。同時に発掘という視点では、体験したい、試合に出たい、専門的な指導を受けたいという人に対して、多くの人が情報をキャッチできるシステムを急ぎ構築することも重要だろう。


コーディネーター 齊藤 まゆみ氏(筑波大学体育系准教授/当財団障害者スポーツプロジェクトメンバー)

本日の活発なディスカッションによって、いくつかの大切なポイントが見えてきた。たとえば、これからスポーツをしたいという人に、その環境があるということを知っていただくための取り組み、また、スポーツに親しむ段階やアスリートとして競技に向き合う段階など、成長に応じて適切な指導者が必要なこともわかった。一方で、そうしてスポーツに親しむようになってから、アスリートとして育つまでには長い時間がかかる。そこには学校現場での理解、科学的な知見、専門知識を持った指導者、地域とのつながりやNF(国内競技連盟)との関わりなども欠かせない。こうしたことを念頭に置いて、日本社会に合ったパスウェイを今後も力を合わせて探っていかなくてはならない。その時には、単に競技者としての成功や輝きだけでなく、デュアルキャリア・セカンドキャリアを含む競技者の人生を見据えて判断をしていく視点を忘れてはならないとあらためて感じた。