スポーツチャレンジ賞

スポーツ界の「縁の下の力持ち」を称える表彰制度

第7回 表彰式

第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞 表彰式を開催しました

第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

4月20日(月)、東京都千代田区の如水会館にて、「第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞 表彰式」を開催しました。

平成26年度は、サッカー国際大会において、鍼治療の技術でレフェリーの公正なジャッジを支える妻木充法氏と、障害者スポーツトレーナーの先駆けとして、障害者アスリートのメディカルサポート環境の拡充に取り組む門田正久氏のお二人を奨励賞に選出し、表彰式では当財団の木村隆昭理事長から、それぞれ表彰状とメダル、賞金(目録)、記念品を贈呈しました。

選考経緯の説明に立った浅見俊雄選考委員長は、「各方面から素晴らしい候補者の推薦をいただいたが、中でも受賞されたお二人のチャレンジと功績は、まさに縁の下の力持ちとして称賛されるべきもの。日本のスポーツを縁の下から支えているたくさんの人々の代表として、このお二人を選考できたことを誇りに思う」と挨拶。会場には大勢の来賓や関係者が祝福に訪れ、文部科学省 スポーツ・青少年局 局長 久保公人氏の代理として「スポーツ界にとっては大きな変革期。そのような中で縁の下の力持ちとして活躍されるお二人に、心よりお祝い申し上げる」と話された柿澤久美子氏(文部科学省 スポーツ・青少年局 スポーツ振興課 課長補佐)をはじめ、大仁邦彌氏(公益財団法人日本サッカー協会 会長)、中森邦男氏(公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 強化部長 日本パラリンピック委員会 事務局長)から祝辞が贈られました。また、第6回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞の受賞者である鈴木德昭氏(奨励賞/東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会 戦略広報部 部長 ※受賞時)と臼井二美男氏(功労賞/公益財団法人鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター 義肢装具研究室長)によって、花束の贈呈が行われました。

表彰式の終了後には受賞者を囲んで交流会が開かれ、「毎回、この表彰式は心に沁みるものになる。縁の下の力持ちたちに感謝する気持ちが溢れているからだろう」と話された岡崎助一氏(公益財団法人日本体育協会 専務理事)の挨拶に続き、青木剛氏(公益財団法人日本オリンピック委員会 副会長兼専務理事)の乾杯の発声により、なごやかなお祝いのひと時を過ごしました。交流会では、受賞者のチャレンジの軌跡を紹介するとともに、関口正雄氏(学校法人滋慶学園 東京メディカル・スポーツ専門学校 校長)、原博実氏(公益財団法人日本サッカー協会 専務理事)、西村雄一氏(プロフェッショナルレフェリー)、山田登志夫氏(公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 常務理事)、山下慎氏(広島市心身障害者福祉センター 業務次長)、清雲栄純氏(ジェフユナイテッド株式会社 取締役)など多くの関係者から受賞者のチャレンジにまつわるエピソードなどが披露されました。

コメント

奨励賞・妻木 充法氏(医学博士、鍼灸あん摩マッサージ指圧師、日本体育協会公認アスレティックトレーナーマスター)

第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

1982年に日本代表のトレーナーになって以来、ワールドカップに行きたいと強く思うようになった。2002年の日韓大会でその目標を実現でき、それ以降も何度もワールドカップに参加させていただいて、自分としては本当に幸せな人生だと思う。大会では各国のレフェリーのケアを行うが、根底には常に「日本サッカーのために」という思いがある。62歳になるが、奨励賞をいただいたその背景には「まだまだやれよ」というメッセージがあると受け止めている。皆さんに求められる限り続けていきたい。

祝福メッセージ|大仁 邦彌氏(公益財団法人日本サッカー協会 会長)
第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

現代のサッカーは、ますます速く激しくなっている。当然ながら、それにつれてレフェリーの消耗も激しい。こうした中で公正なジャッジを行うためには、妻木さんのような存在がなくてはならない。世界のトップレフェリーはもちろん、FIFAの理事まで妻木さんの治療を受けることがある。FIFAから直接の指名を受けるような存在が日本にいることが誇らしいし、たいへん名誉なこと。世界の妻木さんのファンとともに、この受賞をお祝いさせていただきたい。

祝福メッセージ|関口 正雄氏(学校法人滋慶学園 東京メディカル・スポーツ専門学校 校長)
第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

妻木先生は、私どもの学生にとって最高の目標。職業人としての技術や知識はもちろんだが、十分な実績があるにもかかわらず社会人として大学院に通うなど、学ぶ姿勢を身を以って示してくださった。トレーナーとしての活動はもちろん、これからも副学校長として学生の指導にリーダーシップを発揮していただきたい。

祝福メッセージ|原 博実氏(公益財団法人日本サッカー協会 専務理事)
第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

私は代表選手であった頃から妻木さんと親しくさせていただいてきた。人生の転機となった角膜移植の時も、妻木さんの隣には常に奥様の内助の功があったはず。失明の心配もある中で、「何があってもずっと連れ添う」という奥様の存在は心強かったことだろう。1980年代にイギリス遠征に行ってビール代も尽きた時、妻木さんからマッサージを受けていた各国のウェイター達から料理や飲み物を振る舞われた。言葉を超えて慕われる素晴らしい技術と人柄。

祝福メッセージ|西村 雄一氏(プロフェッショナルレフェリー)
第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

ワールドカップのプロジェクトを通じて、この10年間妻木さんにお世話になってきた。選手のために良いコンディションで試合に臨みたいと考えているが、怪我もなく、それを実現できているのは妻木さんのおかげ。妻木さんは海外のレフェリーからも信頼されている。多くの外国人は、最初は鍼治療に対して警戒心もあるが、一度妻木さんの治療を受けるとその即効性と効力に魅了され、大会も中盤に差し掛かると妻木さんのもとに外国人レフェリーが殺到する。日本と世界のサッカーのために、これからも長く続けていただきたい。

奨励賞・門田 正久氏(理学療法士、日本体育協会公認アスレティックトレーナー、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー、介護予防主任運動指導員)

第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

妻木さんは、同じトレーナーとして雲の上のような存在。そのような方の隣で表彰していただけることは身に余る光栄。2020年という大きな目標に向けて、いま日本が一丸となって動き始めている。今回表彰していただいたことを励みに、そこに向けて全力で取り組むとともに、障害者が「どこでもスポーツができて、どこにもサポートする人がいる」という社会をつくるために力を注いでいきたい。

祝福メッセージ|中森 邦男氏(公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 強化部長 日本パラリンピック委員会 事務局長)
第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

2004年のアテネ大会で、初めて門田さんにパラリンピックに帯同してもらった。朝の5時から深夜まで、ひっきりなしに訪ねてくる選手たちを全力でケアしていたその姿をよく覚えている。選手たちはケアを受けながら、門田さんに相談ごともしていたようだ。常に笑顔で元気いっぱい。そうした人柄が選手に口を開かせるのだろう。2020年に向けてはオールジャパンでトレーナー体制をつくっていかなくてはならない。これからも門田さんにリーダーシップを発揮していただきたい。

祝福メッセージ|山田 登志夫氏(公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 常務理事)
第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

門田さんは、日本障害者スポーツ界にとってなくてはならない存在。2020年パラリンピックに向けて国内の機運が高まっているが、門田さんにはこれからもその力を貸していただきたい。もう一つ、彼がこれだけの活躍ができるのも、勤務先の皆さんのご理解とご協力があってのこと。この場をお借りしてお礼を申し上げたい。

祝福メッセージ|山下 慎氏(広島市心身障害者福祉センター 業務次長)
第7回ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞

門田さんは、広島の障害者スポーツ界にとって本当に大切な人。目線が常に障害者やアスリートの側にあることが一番の魅力だと思う。私たちの気持ちとしては地元・広島でこぢんまりとやってほしいところだが、あの情熱、技術、経験はやはり日本のために使われるべき。2020年まで駆け続けてほしい。私たちも一緒に走る。