スポーツチャレンジ賞

スポーツ界の「縁の下の力持ち」を称える表彰制度

第1回 表彰式

旭川南高柔道部元監督の中野政美さんが功労賞、エリートテニスコーチの丸山弘道さんが奨励賞を受賞

ヤマハ発動機スポーツ振興財団 スポーツチャレンジ賞 平成20年度表彰式
功労賞を受賞した中野政美さん(中央左)と奨励賞を受賞した丸山弘道さん(中央右)

ヤマハ発動機スポーツ振興財団スポーツチャレンジ賞は、自己の目指す目標に立ち向かい、自分自身を磨き上げたその人の『チャレンジ』そのものを称え、その努力のプロセスと成果に敬意を表するものです。また指導者やトレーナー等にもスポットを当てることで、チャレンジの意義を社会に知らしめ、新たなチャレンジャーの創出もその目的のひとつとしています。

このスポーツチャレンジ賞には、現在のスポーツ普及・振興の礎となった長年のチャレンジに対する「功労賞」と、表彰年度ごとに世界トップレベルの成果を生み、今後さらなる成長を期待される短期的、中期的なチャレンジに対する「奨励賞」の2部門があります。いずれの賞においても、これまで注目を浴びることが少ないものの、本来は高く評価されるにふさわしいチャレンジを表彰する制度です。第一回目となる平成20年度の功労賞には旭川南高校元柔道部監督の中野政美さん、奨励賞には車いすテニス日本代表チームコーチの丸山弘道さんを選出し、3月27日に表彰式を行いました。

表彰式では、浅見俊雄選考委員長より、「スポーツチャレンジ賞は、スポーツ界において縁の下の力持ちと呼ばれるような人や団体が、ある目標に向かってチャレンジする姿勢やプロセスについて表彰する制度ですが、何分にも“縁の下の力持ち”という言葉の通り、表には出てこないような方々を表彰しますので選考は非常に難しかったです。今回はマスコミや各種競技団体を通じて、応募していただいたところ20数名の推薦があり、その中から奨励賞には車いすテニスコーチとして活躍している丸山弘道さんを、功労賞には旭川南高校で柔道の指導に当たられていた中野政美さんを選ばせていただきました。今回はお二方とも選手を支えるコーチ、指導者という立場で実績を残されてきたわけですが、奨励賞に選ばれた丸山さんは、まさしくアテネから北京パラリンピックへと向かう中で、国枝選手を世界ランキング1位、グランドスラムの達成、さらに齋田、国枝、両選手を始めとする日本代表チームの活躍を支えてきました。また功労賞の中野さんは、旭川南高校で長年にわたって柔道の指導を行い、恵本選手、上野選手というお二人の金メダリストを育て上げられた。特にすばらしいのが、スカウトで有力選手を育てるということではなく、普通に入学された生徒の中から、これはという人材を厳しくも温かく見守り、勝敗の結果だけを見るのではなく、選手がその上の段階(大学や社会人)に行っても成長するような伸び代を残した指導を実践されていることです。奨励賞に選ばれた丸山さんには、この受賞を機にコーチとして更なる飛躍を期待し、功労賞に選ばれた中野政美さんには、地道な努力の積み重ねに心から敬意を表します」と選考理由を述べました。

両氏には長谷川理事長から記念の表彰状とメダル、目録が手渡された後に、丸山さんには国枝、齋田選手から花束が、中野さんには北京オリンピック金メダリストの上野雅恵さんから花束が贈られ、華やかな雰囲気の中で執り行われました。