YMFSスポーツ・チャレンジャーズ・ミーティング

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特別講演 スケジュール

スポーツ・チャレンジャーズ・ミーティングの2日目に開かれた特別講演では、プロゴルファーから研究者に転身した長谷川弓子先生が「実践から研究へ:スポーツ心理学の観点からパフォーマンス向上を目指して」をテーマに講演を行いました。

長谷川 弓子(国立大学法人岩手大学人文社会科学部准教授、公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団 スポーツチャレンジ助成第7期生)

本日は、私自身の経験をもとに、私見を交えながらパフォーマンスの向上について話していきたい。

私は子どもの頃から29歳まで、競技としてゴルフに専門的に取り組んできた。選手時代には重要な場面で崩れてしまったりすることがあり、わからないことも多かった。①スタートの朝、クラブを持った時に重く感じたり軽く感じたりするのはなぜ? ②距離に対する感覚が伸び縮みするのはなぜ? ③目の前の状況に対して、自分がどうすべきかわかる日とわからない日があるのはなぜ? ④ミスが連続して起きるのはなぜ? ⑤試合の「流れ」を制御する方法はある? こうしたことがわかるといいと考え、30歳の時に中京大学大学院に進学した。

4年前の成果報告会で、浅見俊雄先生は「私たちの前に道はない。私たちの後に道はできる」とおっしゃったが、正直、その時はピンとこなかった。私が選手時代に疑問に思ったことなどは、どこかの偉い先生が知っているのではないかと考えていたからだ。でもいま実感しているのは、私の知りたいことの答えなど誰も持っていないということ。だから自分自身で調べ、考え、知るしかないと今は思っている。皆さんが期待している話とは違うかもしれないが、ただただ自分の最高の在り方を目指して頑張っていくしかない。

最後に野口三千三先生の言葉を紹介したい。「覚悟すべきことは、どんなに練習しても、今までにない最高の動きだということはあっても、完璧な動きということはあり得ないということだ。その人の一生を賭けても、その人にとって最高の在り方にたどり着くことができるだけで、完璧などということはない。だからこそ死ぬまで新しいことを発見できて楽しいのだ、と覚悟することが大切である」。野口先生の言う「最高の動き」には、私は心の在り方も含まれていると考えている。