中間報告会

半期の活動発表、人材交流と学びの場
 2015年9月26日

平成27年度 第9期生スポーツチャレンジ助成 第2回中間報告会を実施しました

平成27年度 第9期生スポーツチャレンジ助成 第2回中間報告会を実施しました

9月26日(土)、大手町ファーストスクエア カンファレンス(東京都)にて平成27年度 第2回目の中間報告会を実施しました。この日は体験チャレンジャーの柳岡はるかさん(フェンシング/選手)とブラウン健人マシューさん(ラグビー/選手 ※スポーツチャレンジNEXT)、研究チャレンジャーの北岡祐さん、堀内多恵さん、外国人留学生のフィンク・ジュリウスさんに加え、海外留学生の大西茉莉奈さんが留学先のドイツからインターネット・ビデオ通話で参加しました。

また、報告会終了後の座談会では「チャレンジと環境について考える」というテーマで意見交換を行いました。チャレンジャー自身の経験や考えをぶつけ合い、審査委員の先生方も交えながら活発な意見交換が行われました。





参加いただいた審査委員

浅見俊雄委員長、伊坂忠夫委員、北川薫委員、ヨーコゼッターランド委員、増田和実委員(五十音順)


北岡祐さん(研究)

昨年から継続して助成をいただき、8期生の時のチャレンジテーマであった「エネルギー基質としての乳酸」の一部については、論文を出すこともできた。現在は「乳酸は生体内でエネルギー源として使われるだけでなく、トレーニングによる適応をもたらす重要なシグナルである」という仮説を立て研究に取り組んでいる。マウスに乳酸または乳酸の産生を抑制する薬剤を投与して、その上で運動を課し、それがトレーニング効果に及ぼす影響についての研究を進めている。段階的にはまだマウスを走らせる、泳がせるという実験の条件が整ったところだが、下半期に追い込みをかけたい。

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柳岡はるかさん(体験/フェンシング/選手)

リオ五輪の出場権は、世界ランキングの上位に入るか、各大陸予選の通過によって得ることができる。私は世界ランキングでの出場権の獲得を目指しており、上半期はジュニア世界選手権、ワールドカップ、アジア選手権、世界選手権と数多くの国際大会に出場した。世界選手権では個人57位、団体7位という成績で、身長2m近いイタリア人選手とも対戦した。身体の大きな選手に対してまったく剣が届かず、大会終了後には外国人選手たちの試合を映像で研究した。今後はワールドカップを転戦するが、世界ランキングでリオ五輪に出場するためには常にベスト32に入り続けなくてはならない。ここからが勝負。

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ブラウン健人マシューさん(NEXT/ラグビー/選手)

この春、高校に入学し、ラグビー部の部員としてまずは花園出場を目指して頑張っている。高校ラグビーは中学とはずいぶん環境も違って、考えが甘かったと痛感している。それでも春からレギュラー争いをさせてもらって、強豪校のAチームとの対戦もできたことは良い経験になった。ウエイトトレーニングにも力を入れており、入学当初は65㎏しか上げられなかったベンチプレスも90㎏まで上げられるようになった。また、自分のウィークポイントのディフェンスを克服しようと、個人でレスリングトレーニングも始めた。練習試合のタックルシーンで、レスリング練習の成果も実感できている。残念なのは、部活との兼ね合いで当初予定していたニュージーランドへの短期留学ができなかったこと。来春にはぜひ実現したい。

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堀内多恵さん(研究)

今年度前半の取り組みは、心理教育プログラムの開発。そのため、実施協力者であるアメリカンフットボール社会人トップリーグ所属チームに対し、プログラム試行実験を複数回実施した。フィールドにはほぼ毎週通い、開発に向けたミーティングを10回ほど行ったほか、SNSを利用して緊密な情報共有を心がけた。実際のチームや専門家などの協力が必要な研究のため、理想的なステップを踏めないところに悩みもあった。特に対象チームのスケジュールの都合によってプログラム開発期間の短縮を余儀なくされ、十分なブラッシュアップができなかったことが反省点の一つ。一方で、前倒しにより残りの期間が増えたので、施行実践の評価の質を高めることに費やしたい。

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フィンク・ジュリウスさん(外国人留学生)

レジスタンストレーニング(RT)によって分泌されるホルモンとアンドロゲン受容体が筋肥大に与える影響について研究を進めている。上半期では、先行研究を収集するとともに、ヒト試験にてRTによるAR遺伝子多型の差が筋肥大にどう影響するかを検証し、概ね仮説通りの結果を得ることができた。しかし、ヒト試験においては食生活や睡眠時間、トレーニング歴等、管理できないさまざまな影響があるため、個人差がかなり大きいと実感した。今後はより正確な結果を得るために、実験の条件を変えて再検証したいと考えている。

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大西茉莉奈さん(海外留学生)

「海外における、ジュニア世代のアスリート・指導者育成の現状把握」と「自身の指導力・語学力の向上」を目的に、独・ライプツィヒ大学に留学している。まず、類型化した先行研究を参考に、研究の構造を整理したいと考えていたが、いまだ先行研究を読むだけに留まっており、研究構造の整理には至らなかった。漠然と論文を漁るのではなく、必要な情報に重点を置くなど工夫が必要だと実感している。また、語学においては文法を理解するなど進歩もあったが、会話を実践する場に出向く機会を作れず、日常会話を習得するには至っていない。今後は大学の語学コースでの学習、指導者講習会や勉強会への参加、インターン実習などに積極的に取り組んでいきたい。

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